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【気づき】Vol.0860(2010年11月27日発行のブログより)

20代の辞書。

本来今週23日(火)に全国一斉販売スタート、の予定だった
『学校で教わらなかった[20代の辞書]』(ぱる出版)について。

「いつまで経ってもamazonから届かない」

「書店に並んでいないけど何かあったのか」

といった複数の声をいただいた。

それだけ待ちわびてくれていた人たちがいるというだけで、
僕は幸せな気分になるが、複雑な気分にもなった。

初めての経験だったので、
出版社から説明を受けた内容を分かりやすく伝えたい。

そして、これを、

「出版業界特有の問題」

と終わらせることなく、みなさんのビジネスにも活かしていただきたい。

⼀部の出版社を除けば、出版社から書店に書籍を流通させるためには、
間に「商社機能を持った会社」を通さなくてはならない。

この商社機能を持った2大メジャー会社がある。

トーハンと日販と呼ばれるものだ。

実質的にはメーカーである出版社から出来上がった書籍を、
トーハンと日販が全国書店に配本するだけではなく、
お金のやり取りもしっかりとやってくれている。

零細出版社(といっても出版社の9割以上が零細企業です!)にとっては、本を1冊出版するだけでも、
仮受金のようなまとまった⼀時金が手に⼊るから、
非常に頼もしい存在であった。

零細企業にとってわずかな資金でさえも、
死活問題なのはどの業界も同じこと。

トーハンと日販は出版業界の商社機能に加え、
⼀種の金融機関の役割も担ってきた。

その一方の会社に急きょ、ちょっとした異変が起きた。

年末という時期もあって、 年間1冊本を出すか否か、
といった出版社たちがこぞって本を出版することになったため、
商社機能が大混乱してさばけなくなってしまったのだ。

新刊単⾏本は年間70,000冊〜80,000冊、

つまり、1日200冊以上出版されている。

⽂字どおりてんでわんやの日々である。

もちろん零細企業の決算にも関係しているはずだ。

出版業界の商社にとっては、
⽂字どおり「想定外」の細かい仕事が舞い込んできたのだ。

ということもあり、この問題とほとんど無関係だった、
一方の商社と取引していた約50%の書店には予定通り、
23日(火)から並び始めていた。

が、この問題に見事に遭遇した、
もう一方の商社と取引していた残りの50%の書店には、
25日(木)に搬⼊されたということだった。

つまり、amazonも大型書店も早くて26日(金)、
通常であれば27日(土)〜29日(月)辺りに書店着ということになる。

すでに取り上げていただいている象徴的なブログ。

http://osu6256.blog45.fc2.com/blog-entry-67.html

http://blog.livedoor.jp/kohei_no8/archives/50736437.htmlこうしたロジスティクス上の問題を、

これからどのように解決して行ったらいいのか・・・

あなたも他⼈事ではなく当事者として知恵を絞って欲しい。

コンサルタントという⼈種は、こんな問題ばっかり解き続けている。

このような出版業界にイノベーションが迫ってくるのも必⾄。

イノベーションとは、より快適になっていくことだ。

追伸.

他業界では珍しくもないかもしれないが、
出版業界では商社を無視して全国書店と直取引している会社もある。

⼀種のタブーへの挑戦ともいえる。

僕は今年の7月にここから本を出している。

ディスカヴァー・トゥエンティワン その他電子書籍等も叫ばれているが、
そんなのは序の口で、この業界は構造そのものの大変⾰が迫られている。

追伸の追伸.

今回も全国のTSUTAYA書店には、

『20代の辞書』

を途⽅もない数仕入れてもらった。

感謝している。

...千田琢哉(2010年11月27日発行の次代創造館ブログより)

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