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【千田琢哉の頭脳】Vol.0049(2009年3月24日発行のブログより)from次代創造館秘書室

ビジネスとはまったく畑違いの教育学者養成系の専門学部を卒業されたことにちょっと興味を持ちました。意地悪な質問ですが、千田さんは、21世紀型の教育は、どのようなものになるとお考えですか?

(愛知県・中学教師・Hさん・男性・47歳)

これから必要な教育、つまり、社会人として求められるようになるのは、

1+1=□・・・①

ではなく、

□+□=2・・・②

という教育ではないかと思います。
つまり、①の□には2しか入りませんが、②の□に入る答えは無限にあり、
30人いたら30人の答えがあっていいのです。

“かくあるべし”教育ではなく、最低限のルールや論理性は死守させた上で、あとは自由自在に自分の頭で考えさせる“ならでは”教育に
シフトさせるべきだということです。

あるいは、国語の読解問題はこんな感じでどうでしょうか。

「東大生の親の平均所得は、
東大生ではない一般家庭の所得よりも高いというデータがある。
よって、東大には金持ちしか行けない、とマスコミは報じるが、
論理的に矛盾する点があれば、指摘せよ。
ただし、最初に結論、次に理由という順番で論述せよ」

ロジカルシンキングが弱いと言われている日本人ですから、
まずは“疑い力”が大切です。

その前に、学校の先生の教育も大切になってきます。

そもそも学校の先生というのは、平均的な公立中学で平均すれば
主要5科目オール4といった人たちがなる職業です。

オール5の人たちは、各都道府県に一つは設置されている
教員養成学部やナントカ教育大学には入りたがらない傾向があります。

教えるのは得意かもしれませんが、
突出して勉強ができたわけではないのです。

したがって、むしろ教員になってからの方が勉強しなければ、
あっという間に生徒に抜かされてしまいます。

高校生クラスになると、
明らかに教師より生徒の方が勉強ができるという現象は珍しくありません。

小中学校までは努力で補えますが、高校2年生以上になると、
進学校でも急に落ちこぼれが急増するのは、
この辺りで知能の分岐点があるからだと思います。

しかし、私が言いたいのはそういうことではありません。

今まではマニアックで特殊な記憶力重視のこれまた特殊なクイズ問題としか思えないような問題が出されていたのに対して、
これから21世紀型では自分で問題を発見して、
それを周囲と一緒に知恵を出し合って解決していく能力が
問われるということなのです。

つまり、もともと頭の良い人間は、
パラダイムシフトがあればそれに順応してきますから、
頭の柔軟な若い生徒に中高年の先生たちがついてくることができるのか、
ということなのです。

これは、笑いごとではなく、教師は教える役割から、
司会進行役や盛り立て役のような役割へと
シフトしていくのではないでしょうか。

また、平均して現在よりも頭脳も社会的地位も向上させていき、
よりポテンシャルの高い人材が教師になるべきでしょう。

学校の先生の間では信じられないかもしれませんが、
そもそも社会に出たら、教える立場よりも、教わる立場の方が遥かに賢い、地位も年収も上、ということは日常茶飯事なのです。

...千田琢哉(2009年3月24日発行の次代創造館ブログより)

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