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【気づき】Vol.1050(2011年5月18日発行のブログより)

サイドカーに犬。

よかった!2007年公開映画。

竹内結子さんがいい。

楽しい映画をしんみりさせるのは難しい。

しんみりした映画を楽しく伝えるのは難しい。

せつない映画を元気にさっぱり伝えるのは難しい。

⼀見対極の観念を⼀体化させるのがプロの仕事だとすれば、
まさにこの映画はお見事としかいいようがない。

本来はドロドロの本妻と愛人の修羅場ストーリーなんだけど、
そんなシーンは⼀部に過ぎない。

ちなみに修羅場の頭突きシーンは爽快だった。

美人には頭突きが似合うことを教わった。

10歳の主人公の女の子が、
⽗親と別れる直前にこの頭突きを連打するんだよ。

それは愛人の気持ちがわかっているからなんだね。

クライマックスは頭突きの後に、

「ワンワン」

と⽗へ吠えてみせるシーン。

関わるいい女たちをすべて泣かせてどうしようもない奴だ、
私のことはどうせ犬程度としか考えていなかったんだろ?
というのが伝わってくるね。

本来子どもたちにとって天敵である愛人が、余りにも魅力的という変化球。

子どもたちも実のお母さんより愛人のほうが好きになってしまうんだ。

愛人役の竹内結子さんの演技力もさることながら、天性の教養があり、
女性として内外⾯ともに圧倒的魅力もあり、
同時に豪快な部分も持ち合わせている。

普段は太宰治の『ヴィヨンの妻』なんか読んでいる、
人付き合いが苦手な文学少女の側⾯も垣間見せる。

一人で文庫本を読んでいる女性の横顔は艶っぽいね。

話し方も中⾝もとっても面白くて、
同性からも異性からもモテるタイプなんだね。

映画の中で竹内結子さんに惚れられている、
古田新太さんが素直に羨ましいと思ったね。

最後の別れのシーンも、とてもさっぱりしていて淡きこと水の如しなんだ。

つくづく水の如し関係の奥ゆかしさを知った。

そしてこのキャスティングと演出を担当したプロの人たち、
こんな素敵な映画をありがとう。

いくらシミュレーションしても、
これ以外のキャスティングはあり得ません。

何度も繰り返し観る価値があると確信しました。

そして、

⼥優・竹内結子はきっとオードリー・ヘプバーンのように、
これからますます輝いていくのでしょう。

追伸.

嫌いなものを好きになるよりも、
好きなものを嫌いになるほうがずっと難しいね。

いい映画にはいいメッセージが必ず含まれているのです。

追伸の追伸.

夜中にサイドカーに乗せられながら、
⽗と愛人と3人で家に帰る10歳の娘の表情は、
実の母親にも見せたことのない幸せな笑顔だった。

成功は客観。

幸せは主観。

キミの頭突きも待ってます。

 ...千田琢哉(2011年5月18日発行の次代創造館ブログより)

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