【LVC 1955】 & 【TCB 50’s】 リジッドからの縮み、サイズ感比較など
1950年代の紙パッチ501xxのレプリカを採用したいと考えたときに、恐らく候補に上がることも多いであろうLVC1955とTCB 50sについて、縮みなどサイズ感とそれぞれのディテールなどの比較をしていきたいと思います。
昨今コロナの影響もあって試着に向かうことが難しく、オンラインで購入する機会が増加したと思います。特にデニムはサイズ感が難しく、購入にあたっては事前にネットで入念な情報収集が必要ということもあり、その一助になればと思う次第です。
LVC1955 サイズ感(縮み)
まずLVC1955モデル501です。カイハラデニムを使ってトルコで縫製した2019年以降のモデルになります。こちらはリジッドで購入。洗濯機と乾燥機も使って育てていく前提でサイズ選びをしています。
というのも実際に1950年代のアメリカでの使われ方で、501xxヴィンテージと同じ自然な色落ちを目指したい思いがあり、であれば1950年代のアメリカは確実に乾燥機を使っているであろうからです。逆に言うと乾燥機を使えるサイズを選ぶ必要があるということです。
サイズはリジッドのW31×L34をチョイス。ジャストサイズでベルト不要のサイズ感を目指します。手持ちのデニムから考えて腹囲がおよそ73cmのため、shrink-to-fitのフィット(伸び)、履き馴染みを考えて洗濯乾燥後、大体73cmより数センチ小さいくらいが目標です。
リジッド状態の全体シルエット。1955はボックスシルエットが特徴ですが、ウエストが小さいせいかやや絞られているイメージです。膝から下にかけてややテーパードもかかっているのがわかります。
背面。フラッシャー類もついた状態です。
早速糊落とししていきます。裏返して普通に洗濯機に投入。洗剤なしで水洗い、脱水します。そして表に返してコインランドリーの乾燥機へ45分投入。糊落としなので洗いは裏返しにしましたが、基本普通に表で洗って表で乾燥機にかけるイメージです。
糊落とし後のシルエットです。
左脚に右綾の大きなねじれが出ています。
バックシルエット。乾燥機で特にバックヨーク部のパッカリングも見え始めていると思います。
サイズの変化は下記。
ウエスト:78 → 70cm
股下:82 → 76cm
渡り幅:32 → 29cm
裾幅:21 → 19.5cm
前股上:30.5 →25cm
ウエストですが腰の上端の右から左を直線で測り、それを×2した数値です。公式に記載の仕上がり寸法(82cm)より小さい状態で届いています。ここから乾燥機パワーも使って8cm縮みました。リジッドの場合2インチアップでサイズ選びすることが基本となりますが、今回は乾燥機を使っているため大きく縮みました。73cm狙いでややテンションをかけてフィットさせれるサイズ感になりました。
股下も元々47モデルなどと比較しても短めではあるのですが、6cm縮んでロールアップなしでノークッションくらいのレングスになりました。裾上げはしてません。
TCB 50s サイズ感
TCB 50sは通常のワンウォッシュモデルを購入。履き馴染みの幅も大きいと思われますが、メーカーでのウォッシュ時に乾燥機にかけられているということもあり、小さめの作りという前情報から30インチをチョイス。結果、これが功を奏しました。
いわゆるボックスシルエットらしい形に思います。膝下のテーパードもLVCよりかなり弱めで、ストレートなシルエットです。
ねじれは右脚左脚ともに大きく出ています。
サイズは下記の通りです。
ウエスト:70cm
股下:78cm
渡り幅:29cm
裾幅:21.5cm
前股上:25cm
ワンウォッシュモデルのため購入時に裾上げはしていますが、糊落とし後のLVC1955とほぼ同じサイズ感になりました。LVC1955は乾燥機も使ったため28〜29インチくらいのサイズになりましたが、TCBの30インチと同じくらいとなり、表記サイズの違いを感じていただけるかと思います。
大きな違いがあるのは裾幅で、LVC19.5cmに対してTCB21.5cmと2cmの差が発生しています。LVCのほうがテーパードが大きいかと思われます。
ディテール比較
両モデルのディテール比較です。
ボタンフライは黒っぽい色で軽い材質です。これがリーバイスのアーカイブに残っている復刻ではあるのでしょうが、若干チープな印象を受けます。
ベルトループは平坦なタイプ。ステッチは基本オレンジです。
ボタンフライはスチール製で重みがあります。ベルトループは中盛りタイプでアタリが期待できます。Vステッチは細めなのが特徴的です。イエローステッチも随所に使われています。
ウォッチポケット、打ち抜きリベット、バックポケットの隠しリベット。
クロッチ、ウエストやバックヨークのチェーンステッチ。いずれもオレンジステッチで統一です。
ウォッチポケット、打ち抜きリベット。バックポケットの隠しリベットはかなり厚みがあります。
クロッチ、ウエストやバックヨークのチェーンステッチ、イエローステッチが随所に使用されている点が違いになります。
ギャラ入り紙パッチ、ビッグE両面赤タブ、アーキュエイトステッチ。アーキュエイトステッチはイエローが効果的です。
この辺りのリーバイスならではのディテールはやはり魅力的で、大きな判断材料となるのではないでしょうか。
猫紙パッチ。デザインは複数あるようです。
赤タブもあり。バックポケットのステッチはありません。
赤耳セルビッジ。
セルビッジの耳はピンクです。メーカーにてユニオンスペシャルでチェーンステッチ裾上げできます。
生地感は画像では伝わりにくい部分ではありまが、両モデルとも毛焼きされておらず、毛羽立ちがあります。私はとにかくこの毛羽立ちを眺めるのが大好きです。
またTCBのほうが糸のムラがあり、ザラ感があります。ジンバブエコットンを使用しているからか、肌触りもとても柔らかいですね。
比較は以上です。
コスト的な差も大きい2着、ディテールは公式サイトなどでも確認できますが、特に縮みやサイズ感などで少しでも参考になればと思います。また色落ちレポートも随時書いていきたいと思います。
・2024年3月30日追記
↓TCB 50’s Jeansの2年経過後の色落ちレポートを投稿しました。ぜひご覧ください。
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