見出し画像

トイレットペーパーを買って思った事

誰がデマを流したかとかそういう経緯は一切知らないが、とにかくトイレットペーパーがどこにも売っていない。

仕方なくコンビニや薬局、スーパーを巡った結果、ドンキホーテでやっと見つけたのが、ほぼジョークグッズである”100万円トイレットペーパー”だった。

1つ298円、、

なんとも言えない気持ちではあるが、他に手段がないので仕方なく購入。

ネットでなら買えるんじゃないかと調べたところ、なんと7000円のトイレットパーパーが売っていた。

先日マスクを調べた時は60枚入り10000円で売っているのも見た。

これらを受けて、需要が高ければ高いほど、商品は高い値段でも売れる、という事を誰もが肌でヒシヒシと感じているわけだが

問題は、どうやらトイレットペーパーは通常通り生産しており、日本で生産できなくなるような事はない、という事実が明らかになったにも関わらず、この状況がまだ続いている事だ。

ここで大事なポイントは2つあって、

1、人は事実ではなく、推測によって行動する。

2、現実に影響を与えてしまうと、もはや根拠はどうでもよくなる。

という事で、

1については、人は実際にまだ何も起きていなくても、

こうなるかもしれない、と推測をして事実が発生する前に行動する。

例えば優良企業どうしが提携するとなった場合、実際に提携したタイミングではなく、提携が発表されたタイミングで株価は変動する。

これは、発表された時点で、今後良くなる、悪くなるという事を推測して、人が動くからだ。

これからトイレットペーパーがなくなるかもしれない、と多くの人が推測すれば、それが事実かどうかとは関係なく、不安を感じて多くの人が買い求める。

そして2だが、

今トイレットペーパーが売っていないのは生産できないという理由ではなく、多くの人が大量に購入してしまったからだ。

つまり、風桶ではないが、今多くの人が困っているのは、トイレットペーパーが生産できないからではなく、生産できなくなると思って買いこんだ人たちによるところなのだが、

大事なのは、実際に困っているという事実の方で、もはやそうなった理由なんてどうでもよくなってしまう。

根拠が事実無根であったとしても、推測で人が行動した結果、別の因果関係によって想定していた状況が現実になってしまう。

今回のトイレットペーパー騒動のように、こういう事が世の中ではたくさん起こっている。

ただ、これはプラス方面にも応用する事ができる。

例えば、実際には仕事ができない人でも、仕事ができると思わせる事ができれば、実際にその人のところに仕事が来るようになる。そして来た仕事をこなしていくうちに、本当に仕事ができるようになる、というような事は、よくある話だ。

つまり重要なのは、”実際にできるかどうか”という事実よりも、”あの人はできる”という評判の方が重要という事だ。

もちろん、実際にできるのであればそれに越した事はないが、その場合も、当たり前だができる事を誰も知らなければ仕事はこない。

つまり、”仕事ができる”という事実さえも、”できると思われる為の要素の一つ”に過ぎないという事だ。

できる事を見せたり、知らせる事によって”できると思われる”から仕事が来るのだ。

反対に、実際にはできるのにも関わらず、”できないと思われる”と仕事がこなくなる場合もある。

人はほとんど思い込みで生きている。正しく事実を認識している場合もあれば、嘘を真実だと思っている場合もある。

ただ、”本当に正しい事実”があったとしても、”誰かにとっての真実”を前にして、そこに光が当たらなくなるという事は、世の中で本当によくある事だと思う。

事実は何よりも強いものだと思っている人もいるかもしれないが、

割と立場が弱めなのかもしれないという事を、改めて考えてみても良いのかもしれない。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?