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アンドロイド転生513

(回想)クラブ夢幻

4日前の深夜。クラブにアンドロイド7体が現れた。彼らは不穏な空気を醸し出していたが客の人間達は興味津々で喜んだ。酒やドラッグで正常な認識に欠けた者ばかりだった。

アンドロイドは言い放った。スオウトシキを拉致し、息子のマサヤも連れて行くと。拒否したマサヤは愚かにも敵を倒せと指示をした。ゲンは呆れた。能力どころか脳力も足りない男だ。

こんな地下の逃げ場も限られている場所で強靭なアンドロイド達が戦ったらどんな事態になるか想像をしないのか?案の定12体のマシンの戦闘に巻き込まれ、店内は阿鼻叫喚となった。

だがゲンは戦いに参加せず離れた場所で眺めていた。何故ならマサヤはゲンを名指ししなかった。直接命令をされていない。だから従わなくても良いのだ。警告音も鳴らない。

ゲンが他人事のように見つめる中、多くの人間が次々と犠牲になった。今まで自分達の戦いを喜んで見ていたツケなのだと思った。いい気味だった。ザマアミロだ。

ゲンの目前でレイラは戦っていた。自意識の芽生えのないレイラは、彼女の存在意義の戦うという指示を遂行していた。レイラは水を得た魚だった。敵は子供の身体だ。余裕だった。

相手を殴り蹴り、打った。少女のアンドロイドは成す術もなかった。レイラに顔面を殴打され陥没した。首にコードを巻かれを捻じ切られる寸前だった。いいぞ。レイラ。やれ!

だが事態は急変した。あろう事かレイラは倒された。腹にワインボトルを刺され、ティザー銃を撃たれた。5万ボルトの電気を全身に浴びて身体を震わせ死んだのだ。

ゲンはショックだった。妹を…家族を失ったのだ。悲しみは大きかった。怒りがメラメラと沸き起こった。相手を倒さねば気が済まない。ゲンは復讐する事に決めた。

レイラの腹に刺さっているワインボトルを抜くと、少女の背中にめり込ませた。呆気なく小娘は倒れた。少女の顔は陥没していた。目も鼻も有り得ない方向に曲がっていた。

『おやおや。可愛い顔が台無しです。我が妹のレイラは容赦しなかったようですね』
ゲンはしゃがみ込むと彼女の額をトントンと叩いた。いい気味だ。

ゲンは少女を見つめ、不敵に笑った。コイツらは仲間のトワの敵討ちに来たらしい。自我があるのだろう。だからな?俺だって復讐するのさ。家族を殺されたんだ。許すものか。

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