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アンドロイド転生448
新宿区:平家カフェ
リビングにはドウガミ親子3人の他、スオウソラとアンドロイドのチアキとメグがいた。場には花が咲いたようだ。全員が温かな気持ちでその時間を楽しんでいた。
宙空にはホログラムのイヴが浮いていた。ケーキを食べながらソラが見上げた。
「あの人は誰ですか?」
イヴは微笑んでソラを見下ろしている。
リツも宙空を見上げた。
「…僕の姉さん。イヴって言うんだ。ソラ君が遊びに来るって言ったら会いたいって。遠くからアクセスしてるんだよ」
AIでメモリの存在などと説明をしても混乱するだけだ。ソラは頷いてイヴを見つめた。
「ふーん。今晩は!」
『今晩は』
イヴはニッコリとしてリツに話を合わせた。
『そうなの。小さなお客様が来るって言うから会いたかったの。ねぇ?ソラ君。うちの家族が作るケーキは美味しいでしょ?』
ソラは目を丸くした。
「え?人間が作ってるの?」
『ええ。そうよ。全て人間の手作りなの。その方が美味しいって。ね?お父さん?』
キヨシが口元を引き締めた。
「そうさ。昔は何でも人間が作ったもんだ。そりゃマシンが作れば失敗はないさ。でも人間がやるからそこに味わいが生まれるんだ。…分かるか?」
この時代は全てがアンドロイドが行うものだ。だがそれに逆行するかのようにドウガミ親子は手作りに拘り、提供していた。逸品の味わいにカフェは根強いファンが多かった。
ソラはコクコクと頷いた。
「うん。分かる。凄ーく美味しい!」
愛らしい客に親子は目を細める。サトシは緊張など忘れ、孫を見るような眼差しだ。
「ご馳走様でした!」
ソラは手を合わせた。リツは微笑む。
「お代わりをしたかったら遠慮するなよ?」
ソラはナニーのメグをチラリと見た。
メグは優しくソラを見つめ返した。
「この時間に二つ目のケーキの糖分やカロリーを摂取するのは健康上、好ましくありません」
ソラはやっぱりな…と言って諦めた。
マユミは思いついた顔をした。
「じゃあ、帰る時にお土産を持って行ってね。イチゴショート以外も食べて欲しいの」
ソラは瞳を輝かせて何度も頷いた。
リツが手招きをした。
「ソラ君、ゲームしようぜ。バトル系?パズル系?RPG系?何でもあるぜ」
「僕、バトル系が好きだな!」
2人でゲームを選ぶ姿は微笑ましかった。
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