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アンドロイド転生927
2118年12月7日 午後
世田谷区:カナタの家
(フォストファミリー宅)
「ダディとマミーなんてカナタらしい」
「ホントの親は父ちゃん母ちゃんだからな。サイトウさん達は国際的だし、なんか変化つけようと思ってさ。2人も喜んでる」
カナタと恋人のアイリは愛犬のシェリーと共に庭にいた。シェリーがボールを咥えてきた。カナタが投げると天高くジャンプして空中でキャッチした。カナタは自慢げな顔をする。
「今、シェリーは勉強中なんだ。そのうちパートナードッグになるんだぞ」
「それって難しいんじゃない?」
「シェリーは賢い。大丈夫だ」
カナタはテレビのニュースで犬と共にボランティアをする事を知った。病院や施設に通うのだ。カナタは直ぐに行動を起こした。自分が誰かの役に立ちたかったのだ。
アイリは広い庭を見渡した。
「どう?こっちの暮らしは楽しい?」
「楽しいよ〜。アイリと会えたし!」
「私もカナタと会えて嬉しい!」
カナタはアイリを見つめた。なんて可愛いんだろうといつも思う。顔だけじゃなくて性格もイイ。ルイには先を越されたけど、俺にも彼女が出来たんだと嬉しくてならなかった。
アイリもカナタを見つめた。
「ホントに綺麗な目の色だね」
カナタの瞳はマリンブルーだ。
「他にも赤毛に銀目。銀髪に紫の目がいるぞ」
アイリは目を丸くした。
「なんでそんなにカラフルなの?」
カナタは唇を噛んだ。渋い顔になる。
「ホームは…近親婚だからな…」
「え?近親婚だとそうなるの?」
「血が濃いと遺伝子が偏るんだよ」
「あー。そっか」
「それを避けるために俺達はここに来た」
アイリは小首を傾げた。
「って言うことは…カナタはこっちの人と結婚するのね?子供を作るのね?」
「まぁね」
「じゃあ。私が産もうか?」
「え!」
「子供は国の宝だって言うよ。皆んなバンバン産んじゃう。私の従姉妹は14で産んだよ」
カナタは感心する。タウンに来て驚いたのは若くして親になる人間の多さだった。10代前半でも躊躇なく出産する。子育てはナニーアンドロイドに任せて本人達の生活は変わらない。
100年前の時代なら若い世代の妊娠は家族間に大きな問題を齎したものだが、今は反対に喜ばれることだった。現在、日本の人口は約5000万。国策として増加を望んでいるのほ
アイリは当然のような顔をした。
「だから、カナタ。遺伝子検査しておいてね。プレイする前にちゃんと確認しておかないとさ!あ…プレイって…つまり…アレの事だよ」
カナタは目を丸くする。遺伝子検査にも驚きだが、アイリからプレイという言葉が出たことが信じられなかった。そんな簡単に言えてしまうものなのか。タウンの人にとっては当然なのか。
アイリは瞳をキラキラとさせた。
「私達に子供が出来たら目の色はどうなのかなぁ…!青かな?黒かな?それにさぁ…カナタはイケメンだし…。わぁ…!なんか楽しみ!」
何事も素直に受け止めるカナタは嬉しくなってきた。そうか!アイリと俺の子供か!きっとめちゃくちゃ可愛いぞ。名前は何にしよう?男かな?女かな?双子なんて楽しいな。
※カナタがボランティアになるシーンです
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