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アンドロイド転生366

東京都葛飾区:カガミソウタの邸宅

どうしたらマフィアのトップのジョゼフ・ルチアーノと面会が出来るだろうかというソウタの問いにスミレはニッコリとした。
「優しくするか脅すかのどちらかですね」

ソウタは瞳を輝かせた。
「頭いいなぁ!スミレならどっちにする?」
「私なら脅します。その方が早いです」
「脅すね。そうね」

ソウタはジョゼフ・ルチアーノ家のコンピュータAIに再度アクセスをした。AIなど天才的なハッカー能力のソウタには容易かった。プロテクトをかけてもAIはなす術もなかった。

次々にソウタの目の前に立体画像が浮かび上がった。ジョゼフの家族がズラリと並んだ。ソウタは美しい30代の女性をターゲットに決めた。ジョゼフの娘、アメリアだ。

ソウタは唇を舐めた。
「アメリアちゃん。今どこにいるの?」
イタリア全土の監視カメラをハッキングした。平和な日本と違って他国には凡ゆる場所にカメラがあった。

直ぐに発見した。ミラノのベーカリーショップから幼い息子と出てくる立体画像がソウタの目の前に浮かんだ。幸せそうな顔つき。アメリアは隣の花屋にナニーアンドロイドと共に立ち寄った。

ソウタはルチアーノ家のAIに指示を出す。
「ジョゼフ君の執事にアクセスをしてよ〜。はい!今すぐ!」
AIから執事アンドロイドに連絡が行く。

執事は主人を見た。
「旦那様。再度、日本から御面会の要望です」
「放っておけと言っているだろう?」
「しかしアメリア様を追跡しているそうです」

ジョゼフはゆっくりと手元のコーヒーを飲んだ。グビリと喉が音を立てた。表情は何ひとつ変わらず、平静だった。だが心は怒りが湧き上がった。そしてニヤリと不敵に笑った。

面会人が日本だと居場所を告げるとは敵は随分と自信があるようだ。
「すぐに日本の発信源を探れ」
「はい」

執事アンドロイドはAIに指示をしてソウタの居場所を探らせた。だが日本全国の警察署が発信源だった。ソウタを守る為にイヴが撹乱しているのだ。イタリアのAIよりも彼女の方が能力が上だ。

執事は残念そうな顔をする。
「旦那様。相手はかなり能力に長けています」
ジョゼフは無表情だった。
「面会に応じよう」

執事は頷いて掌を上に向けると宙空にホログラムが浮かんだ。ソウタのアバターの黒いネズミのキャラクターがくるりと跳ねて会釈した。
『僕はアライブ。お久し振りです!』

ソウタの言葉が瞬時にイタリア語に翻訳されネズミは甲高い声で喋った。ジョゼフは眉根を寄せた。久し振りだと?何を言っている?
「誰だ?」

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