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アンドロイド転生497

白水村:カナタの部屋

「え⁈マジかよ⁈」
カナタが立ち上がった。
「ホントにホントか⁈」
ヤマトの声が裏返った。

2人共有り得ないほど目を見開いた。ルイは余裕の笑みを浮かべてカナタを制した。彼はルイに掴みかからんばかりに詰め寄っている。
「まぁまぁ、2人共落ち着けって」

ヤマトが被りを振った。
「落ち着けるかよ!!タ、タウンの…お、女の子とあ、会えるなんて…し、信じらんねえ!」
驚きのあまり呂律が回らず吃ってしまう。 

カナタは立ち上がったままルイを指差した。
「お前に…お前に…か、彼女がいるなんてよ!タウンの子だなんてホントにマジか⁈」
ルイは自慢げに頷いた。

「くそ〜っ!!」
カナタは悔しそうに顔を歪めて地団駄を踏む。ルイは嬉しくてならない。そうだ。俺は誰よりも先に彼女が出来たんだ。

ヤマトは好奇の瞳を輝かせた。
「美人か?」
「うん。めちゃくちゃ」
「くそ〜っ!!」

ルイはキョロキョロと辺りを見回して小声になった。周りには誰もいないが再確認だ。
「でさ?さっきも言ったけど、彼女が俺のダチを連れて来いって言うんだよ」

ヤマトは満面の笑みになる。
「で?で?俺らなんだな?」
「そう」
ヤマトとカナタは顔を見合わせハイタッチをした。

ルイの声は更に小さくなる。
「いいか?来週の日曜日に渋谷で祭りがあるんだ。そこに俺らが行く。彼女の友達も2人来る。お前らと会わす」

2人は何度も頷いた。
「エリカが連れて行ってくれる。この事は俺らだけの秘密だ。誰にも言うんじゃないぞ」
2人は更に頷いた。瞳が輝いている。

ルイは少し唇を歪めた。
「大人達はホームとタウンが付き合う事をよく思ってないだろ?俺らが東京に行ったなんて知ったら大変だ。だから絶対にバレるなよ?」

カナタの瞳に力が宿った。
「絶対にバレないようにする。な?ヤマト!」
「おう!約束する!」
「よし。2人共、タケルに髪を切ってもらえ」
元美容師のタケルに神頼みだ。

カナタは不安そうな顔をした。
「で、でもよ?東京の子達なんて俺らの事さ…ダサいって思うんじゃねえ?」
「大丈夫。お前らは俺の次にイケテルから」
ルイの言葉に2人は殴る振りをした。

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