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アンドロイド転生730

白水村:リペア室

エリカはリペア室に呼ばれた。いつもの面々の他に何故か村長までもがいた。厳しい顔をしている。タカオに促されてエリカは寝台に横になった。直ぐに頭部と胴体が切り離された。

どうも不穏な空気だ。だが想像力が欠落しているエリカはまさか自分の生が終わるとは考えもしなかった。キリの顔が怖いと笑った。
「あんたのした事の方がずっと怖いよ」

エリカは苦笑する。
「何言ってんの?キリってば」
「リョウを脅迫したね。アオイとサツキを殺そうとしたね。ハスミエマを潰したね」

エリカはリョウを睨んだ。
「お喋り!そんな男は嫌われるんだ」
リョウも睨み返した。
「お前なんて大嫌いだ」

村長はエリカの頭を撫でた。
「エリカ。お前は家族だ。そして私はこの村の責任者だ。だからお前のした事の決着をつけなければならん。分かるか?」

優しく撫でて続けた。まるで祖父が孫娘を労るかのようだった。村長は息を吸い込んだ。
「宣言する。お前を機能停止(死)する」
エリカの目が見開かれた。

キリはエリカを睨んだ。
「あんたは酷い事をした。あまりに酷過ぎた。人間を追い詰めた。アンドロイドとして恥ずべき事だよ。私はあんたに反省を求めない」

エリカの瞳は恐怖を帯びた。
「嫌!死ぬなんて嫌!助けて!誰か助けて!タケル!タケル!」 
「タケルは去ったんだ。あんたのせいで」

エリカは親友に通信した。
『アリス!アリス!助けて!』
『ど、どうしたの?』
『早く来て!リペア室!殺される!』

間もなくリペア室のドアがスライドした。アリスが血相を変えて飛び込んで来た。
「エリカ!」
アリスは直ぐに室内の不穏な空気を悟った。

アリスはキリの前に躍り出た。
「エリカが殺されるって?何が起こったの?誰が殺すの?」
「私がエリカを機能停止する」

アリスは息を吸い込み驚愕した。
「な、なんで?どうして⁈」
「エリカは存在自体が悪だよ。このままいればもっと酷い事をするかもしれない」

アリスの顔が引き攣りオロオロとした。確かにエリカは自分の気持ちを優先するが、存在が悪だとはあまりにも言い過ぎではないか?殺さなくてはならない程の酷い事をしたのか?

アリスは周囲を見渡し、寝台に目を落とした。エリカの頭部と胴体が切り離されている。これは非常にまずい状況なのでは…。
「やめて…。お願いだからやめて!」

キリは首を横に振った。
「あんたとエリカが姉妹みたいなのは分かってる。でも私だって家族だった。だから決着をつけるの。エリカは存在してはいけない」

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