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アンドロイド転生329

茨城県白水村:中庭

駆り立てられて


走り続けて
見えたのは 

永遠



負の時間につまづいて


ひざまずいて
見えたのも

永遠



出口などはなく


あるとするなら


永遠の入口



魂は知っている


その時が来たら


来世に向かう事



ほら
わかるかい


見えるだろ
終わらないんだ


永遠は

いつも見ているんだ


永遠を 君は


サキがホームを代表して弔辞を述べた。トワと永遠の別れの日だ。人々は悲しみに包まれていた。たとえアンドロイドであったとしても家族なのだ。誰もが泣き、そして怒りに燃えていた。

トワはいつでも元気で少年らしい生意気さと快活さで皆を笑顔にしていた。それが突然奪われた。強靭なアンドロイドであったとしてもメモリが復活しなければ機能停止。それは死だ。

タウンのアンドロイドと戦った。ホームを守る為に。ルークは敵を倒したが、戦闘と死という事実は人々に不吉な影を落とした。このままでは済まないだろうという予感があった。

トワを見送った後、キリの父親で村長のドウガミサトシが人々を見渡した。
「子供ら以外は食堂に集まれ」
大人達は神妙な顔をして頷いた。

母親のキリに向かってルイが声を掛けた。
「俺は?」
「あんたは子供だよ」
「ガキじゃねえよ!俺もトワの仇を打つ」

キリは笑ったが瞳には力がなかった。
「15はガキだよ。遊んでやって」
ルイは不服そうな顔をしていたがキリの言葉に従い、幼い子らに声を掛けて連れて行った。


※noteクリエイターのcofumiさんの詩を作中に使用させて頂きました。cofumiさんは短歌やエッセイ、作詞など幅広い才能をお持ちでいつも感動しております。この度は有難う御座いました。



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