見出し画像

アンドロイド転生337

白水村:タケルとルークの部屋

ルークはスオウだけではなく息子のマサヤも倒す必要があるとタケルに告げた。タケルは納得する。親子諸共葬るつもりだ。するとルークは宙空に声を掛けた。イヴを呼んだのだ。

ホログラムの美しい女性が浮かぶ。
『何でしょう?』
「スオウとマサヤは同居しているのか?」
『調べます。お待ち下さい』

彼女は難なく所在を突き止め、スオウとマサヤの其々の住所を告げた。タケルは思案した。
「イヴ、スオウの家族は?」
『妻と2人暮らしです』

イヴはつけ足す。
『愛人とその息子がいますが、別の世帯です』
「そうか。だが本宅には妻がいるよな」
『はい』

タケルはルークを見やった。
「妻を巻き込んではならない。スオウを拉致しよう。マサヤを呼び出して2人を片付けよう」
「分かった」

タケルはイヴを見つめた。
「どこか良い場所はないか?」
『東京湾の晴海コンテナ埠頭が良いでしょう。私が監視ロボットの動きを制御します』

タケルは頷くとまたルークを見やった。
「俺はスオウの屋敷に行く」
「俺はマサヤの家に行く。そして2人を晴海に拉致して片付ける。それで良いな?」

タケルの瞳に決意が漲った。
「明日の晩…決行する」
「行くのはタケルと俺と10体だけだ」
「分かってる」

タケルは立ち上がった。
「タカオ達に伝えよう。俺達も行くと」
「よし」
2人は部屋を出ると寝室をノックした。

10分後。タケル達の決意を知ってタカオは頷いた。キリは不安そうに2人を見つめた。
「絶対に無事で帰って来てよ!約束だよ!」
タケルは約束だと言って笑った。

タカオが少し驚いた顔をする。
「おいおい?いつも強気なお前がどうした?」
「タケルが…輪廻転生したのはこの為だって思って欲しくないの…」

キリはタケルの腕を掴んだ。
「あなたは…幸せになる為に産まれてきたの。絶対だよ!そうだよ!あ、あのね?嫌だったらやめていいんだからね?人間を討つなんて無理だったら逃げてきて。ヤクザにはさ?何度も謝って許してもらおう。ね?ね?」

タケルはキリの手を優しく握った。
「有難う。そうだな。いざとなったらビビって何も出来なくなるかもな。そしたら許してくれよ?」
4人は薄く笑った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?