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アンドロイド転生537

オクザワヒカリのマンション

「4人でプレイ(性行為)をしますか…?」
タケルは室内に漂う淫靡な空気に呑まれそうになっていたが、ゲンの言葉に我に返った。
「何を言ってる!ふざけるな!」

人間とアンドロイド間の性行為は知っているし、とやかく言うつもりはない。だがそれに自分が巻き込まれるのはごめんだ。俺の目的はただひとつ。ミオを救うこと。

タケルは自分に抱きついているエマの腕をやんわりと首から外した。
「頼む。ゲン。ミオを助けてくれ。ミオは家族だ。失いたくないんだ」

ゲンは溜息をついた。
「だから言ったでしょう?変異したプログラムは私の手には負えないんです。諦めて下さい」
タケルは歯軋りをした。

何としてもミオを助けなければならない。こうなったら無理やりでも連れて行くか?だが人間の目の前で戦闘は出来ない。クラブ夢幻の二の舞になり、エマ達もただでは済まなくなる。

ヒカリはゲンを見つめた。
「ホントにウィルスを外せないの?妹の仇だからって意地悪をしていないよね?」
「はい。勿論です」

ヒカリはタケルに顔を移した。
「マシンは嘘をつけないよね?だからホントよ。残念だけど諦めて」
「自我が芽生えたら難なくつける」

ヒカリは目を丸くしてまたゲンを見た。
「へ〜。そうなの?ゲン?まさかあんたは自我が芽生えたの?」
「はい。次元の高みにいます」

ヒカリは笑い出した。
「あっそうなの?凄いじゃん」
タケルを見る。
「あんたも高みにいるの?どうなの?」

タケルは自分が元人間である事を告げ、アンドロイドの従服機構に賭けてみようと思った。
「俺は…元人間なんだ。輪廻転生したんだ。だからゲンに命令する。俺について来い」

ゲンは自信ありげに微笑む。
「残念ながら従えません。私達に主従関係はないのです。あなたが元人間であろうがどうかは私達の関係に影響を及ぼしません」

エマは手を叩いた。
「あ!美容院の時、なんか違うな!って感じたの!タケルさんは人間ぽかった!だからきっと好きになったのよね。私。振られたけどね」

ヒカリも瞳を輝かせた。
「へ〜!元人間なの?凄いじゃん!イケメンになったんだから良かったじゃん。あっちの方はどうなのかな〜?早く〜!しようよ!」

元人間というタケルの言葉を否定せずに素直に信じるのは時代なのか性格なのか。それにしてもここでの会話はすぐに道が逸れてくる。早くゲンを連れ出したいのに上手くいかない。

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