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アンドロイド転生488

白水村:中庭

同じ日本に住みながらも一線を画した歴史がある相容れない人間達。積年の恨みがあるホーム側。非国民だとして排除しようとするタウン側。その子供達の恋の行方は如何なるものか。 

ルイの両親は息子の恋路を反対している。モネの母親はルイがホームの人間だとは知らない。知れば娘を止めるだろう。大人達の思惑にまだ若い2人は引き裂かれるのだ。

エリカには破局の確信があった。今はルイとモネを盛り上がらせて最終的には傷をつける事が目的だった。モネを悲しませ、延いてはアオイを苦しませたいという思いなのだ。

何故にモネの悲しみがアオイの苦しみに繋がるのか。それはモネはアオイがナニーとして12年間育てた愛し子だったからだ。エリカはアオイとモネの縁を知ってその偶然に驚いた。

何の因果かアオイにまた運命が巡って来たのである。昨年の末にアオイの元婚約者のカノミドウシュウと出逢ったばかりなのに。人間だったアオイにはそんな強運があるのかもしれない。

アリスは洗濯物を干しながら微笑んだ。
「それにしても良かったねぇ。何もかも無事に済んで。ミオは大人になれるし、タケルは人を殺めなかったし。アオイのお陰ね」

エリカは挑戦的な目を向けた。アリスは大事な親友だけれどアオイの味方になるのは許せない。
「何を言ってんの?元々はアオイがシュウに会いたいってワガママを言ったからでしょ?」

アリスは目を見開いた。
「だって元婚約者だもの。会いたいよ」
エリカは睨んだ。
「そのせいでトワが死んだんだよ?」

アンドロイドのトワの死は決してアオイのせいではないが、アオイとシュウが再会した事がきっかけになったのは否めない。運命という奔流にトワは巻き込まれて命を失ったのだ。

アリスは目を伏せた。
「そ、そうだけど…」
「トワの仇を討つってタケルは決めてたのにアオイが邪魔をしたんだよ?」

「邪魔をしたなんて…。アオイはタケルに殺人を犯して欲しくなかった。その為に輪廻転生したんじゃないって。それだけだよ。私だってそう思うよ」
心優しいアリスは必死になった。

エリカは声を荒げた。
「良い子ぶってるだけ!ムカつく女!」
「エリカは…やっぱりアオイが嫌いなの…?」 
アリスは上目遣いになった。

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