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アンドロイド転生784

2118年6月12日 夜
茨城県つくば市
アキコのマンション:寝室

ゲンはアキコを腕枕をしながら考えていた。そうか。やはりTEラボは万一に備えてアンドロイドを機能不全にする物を作ったのか。人間はとことんまで我々をコントロールしたいらしい

そんな機器を俺に使ってしまっては困る。機能不全なんて堪らない。だが…俺が…他のアンドロイドに使ったらどうだろう?容易くあいつらを制御出来るなんて気分が良い。

ゲンの瞳が煌めく。マシンの俺がマシン達の頂点に立つ。試してみたい。使ってみたい。
「その…製品は…エムウェイブでしたっけ?」
「そう」

ゲンはアキコの頬に指を這わせた。
「現物を見てみたいです」
「えっ!」
「ああ。ごめんなさい。ダメですよね」

アキコ無言だった。だが表情には迷いが見て取れる。すっぱりとダメだとは言い切れないようだ。そうさ。愛する恋人の頼みなのだから。ゲンはほくそ笑んだ。

ゲンはアキコに優しくキスをした。
「もう。お休み下さい」
相手の気を引くには話を長引かせないこと。直ぐに諦めれば反対に気持ちが動く。

ゲンは天井に向かって声を上げた。
「ライトダウン。レベル2.5」
室内がより一層暗くなった。
「ま、待って」

ほら来た!
「ん?何ですか?」
アキコは唇を舐める。
「ゲンは…エムウェイブが…見たい…?」

ゲンは首を振った。
「そんな…忘れて下さい。アキコさんに会社を裏切るような真似はさせられません」
アキコは唇を噛んだ。

「困った顔の貴女は本当に可愛いですね」
ゲンは彼女の唇を指でなぞった。ゲンの優しい微笑みは薄暗がりの中でも分かるだろう。
「ああ。僕は我慢が出来ません…」

彼女の耳元に唇寄せた。熱い息を吹き掛けるとアキコも唇から声が漏れる。そして彼の指がアキコの胸から腹を滑り繊細な部分にそっと触れた。
「ま、待って…」

ゲンは待たなかった。ここは待たないほうが良い。快楽に溺れさせるのだ。その最中に承諾を取る。彼女にエムウェイブを持ち出させるのだ。ゲンはアキコの快楽のポイントを突く。

「ああ…ゲン…素敵…」
「アキコさんだって…素晴らしい」
「ホント…?ホントに…?」
「ええ…愛しています」

アキコの瞳が潤む。
「私も愛してる。ああ。ゲン…!」
ゲンは彼女に覆い被さった。アキコは快楽に溺れて喘ぐ。上り詰めていく。  

ゲンはアキコの首に優しく何度もキスをした。
「エムウェイブの事なんていいんです」 
「ああ…!ううん…!何とか…する!」
ゲンはニヤリと笑った。

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