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アンドロイド転生460
新宿区:平家カフェ
(メグの視点)
ナニーアンドロイドのメグは満足そうに眠るソラの頬に手を当てた。体温は平熱。呼吸は正常。発汗も問題なし。布団を掛け直してホッとする。彼を安全に守る事が自分の役目。
メグは薄暗がりの室内を見渡した。カフェの客間。清潔で美しい。まさか今日、この時間にこんな所にいるとは想像もしなかった。全く世の中は思いがけない事が起こるものだ。
扉がスライドし、チアキとリツが入って来た。リツが小声で宙空に声を掛ける。
「ライトオン。段階はレベル2」
室内の明るさが少しだけ増した。
チアキがメグを見下ろして囁いた。
「プランBが発動したの。それはね…ソラの父親のスオウトシキを脅迫するって事なの。ソラはここに居るってね」
メグはじっとチアキを見つめた。
「誘拐をしたのですから脅す相手がいると思いました。それがトシキ様ですね。要求はお金ですか。彼はかなりの資産家ですから」
チアキは首を振った。
「お金など取らない。私達の要求は彼の復讐をやめさせること。そして謝罪をしてもらうことよ。家族を殺されたの」
メグが小首を傾けた。
「家族…?」
「そう。私の弟が機能停止になったの。スオウのマシンが襲ったの。殺されたも同然よ」
メグは眉根を寄せる。
「トシキ様が…?」
「そう。彼の資産を私達が奪って…彼は復讐したの。今度はこちらが復讐するの」
メグは深々と溜息をついた。
「その争いに…ソラ様は巻き込まれたのですね…」
リツが頭を下げた。
「ごめんな。本当に」
チアキは苦笑した。
「生き物は愚かで浅はかね。で、こちらは取引を持ちかけたの。でもスオウは納得しないの。だから脅迫する事になって…あなた達は家に帰れない」
メグの瞳は不安に揺れた。
「ソラ様を傷つけませんよね?アオイさんは約束しました。約束を違えませんね?」
チアキは力強く頷いた。
リツがしゃがみ込んでメグを見上げた。
「メグ。俺達は君もソラも傷つけない。約束する。だがスオウが納得しないと、この戦いは終わらないんだ。人間は面倒臭いな」
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