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アンドロイド転生453

青海埠頭

エリカはタケルを諭すアオイが憎くて堪らなかった。こんな所まで追って来て余計な事を叫び出し、タケルの決意を阻むとはなんて邪魔臭い女だろう。エリカはアオイを睨んだ。

アオイもエリカを睨み返した。
「あなたはタケルが好きなんでしょう?だったら殺人なんてやめさせたら?あなたの役目は彼を幸せにする事じゃないの?」

エリカは眉を釣り上げた。
「そうよ!だからタケルを応援するの!」
「人殺しの応援なんておかしいよ。それに人の心は複雑なんだよ。煽ってはダメ」

エリカの瞳が怒りに燃えた。アオイが人について語ったのが許せなかった。まるでアンドロイドの自分を馬鹿にしているように思えた。腹が立ちアオイの胸を思い切り突いた。

アオイは勢い良くコンテナの壁に背を打ちつけた。後頭部がバウンドして音を立てた。アオイも憤るが、今はエリカと戦っている暇はない。
「エリカ。あなたも邪魔よ」

エリカの顔色が変わった。目が吊り上がる。アオイに殴り掛かった。だがアオイはその腕を素早く掴んだ。エリカを見つめた。
「時間がないの。相手をしてられない」

エリカはもう一方の腕を振り上げた。その拳もアオイは掴んだ。2人の腕がジリジリと力んだ。
「タケル。エリカに言って。邪魔するなって」
タケルは女達を見た。

タケルは息を吐く。
「エリカ。やめろ」
エリカの唇はワナワナと震えたものの、タケルには従う。戦闘体制を解除した。

アオイはタケルを見上げた。
「じゃあ、スオウさんと交渉するね。あなたは黙って見てて」
タケルはアオイに顔を向けもしなかった。

アオイはコンテナから出ると声を張り上げた。
「スオウさん!話があります!あなたの資産を奪ってごめんなさい。元は私達が始めた事です。だからお返しします!」

コンテナの陰にいるスオウは眉根を寄せた。トミナガが代わりに言葉を返した。
「返すだと?信じられるか!」
「奪われた資産を遥かに上回るお金が手に入ります!」

スオウ達は顔を見合わせる。アオイは続けた。
「爆弾取引の仲介者にスオウ組を立てます!売り手と買い手は契約書に署名をしました!あなたがサインをすれば完了です!」

スオウは鼻で笑った。
「ふん。馬鹿な」
アオイはスオウの言葉を聞き取った。
「馬鹿かどうか確かめてみませんか⁈」

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