Gehenna-Rondo

♦ゲヘンナ-ロンド♦

千年王国シリーズ

世界観・あらすじ

 主が魂を砕き、精神の魂、肉体の魄を授かった時、人間は三位一体の天秤を傾け、人ならざる力を得た。
 のちにそれらは傀儡師、道化師と呼ばれるようになった。







 とある深淵には悪魔の湧き出る巣窟があった。人間では決して辿り着くことの出来ない深い底。そこから這い出てくる悪魔は夜な夜な、人間の生命の源である【オボ】と呼ばれる結晶体を喰らいに地上を蔓延る。
 人間たちは分厚い壁に囲まれ怯えながら生活していたが、たった一つの希望があった。それは大陸全土を守護する師団の存在である。霊長二種で構成される兵師たちは、それぞれ傀儡師、道化師と称され、神にも等しい力を持って日々悪魔を討伐していた。
 大陸の傍に浮かぶ島には、師を育てるための養成学校がある。その名も蒐州学院本部。優れた才を持つ師が集まるこの学院では、長年の種族同士の対立が顕著に現れ、貴族社会で勢力をふるっている師徒を筆頭にしてカーストを確立していた。
 そんな中、大貴族であるディノ・ブライン・オルヴィスは田舎出身の相方、メドリュクス・カルメロイとともに現状を変えるべく学院の問題へと立ち向かう。


♦登場人物♦

 主人公
 ディノ・ブライン・オルヴィス(傀儡師/二十歳)
…三大派閥の一つオルヴェーニュ派の一派、オルヴィス家の嫡男。表では快活で飄々とした性格だが思慮深い一面があり、傲慢な自身の派閥を嫌っている。派を重んじろという同調圧力をのらりくらりとかわしながら、"我々はしょせん天秤の上では同等だ"という考えの元行動している。

 メドリュクス・カルメロイ(道化師/十九歳)
……田舎出身。師の世界を知るために学院に入学し、その優秀さ故にディノに気に入られパートナー候補として共に行動している。何事にも慎重で常識にとらわれず、自由な思想を好む。そのため少々頑固な一面もある。貴族に縛られ重荷を背負うディノを支えたいと思っている。

 ルース・シュリイカ(道化師/十八歳)
……表向きは落ち着いて大人びた性格だが、平和主義を唱えるシュラト派の中でも傀儡師を堕とすべきという歪んだ思想を持つ連中によって、腹黒く強かな性格に歪められた。学院で虐められているためゲイツが気にかけている。

 ゲイツ・ティオルド(傀儡師/二十歳)
……オルヴェーニュ派の末席だがさほど権力を持たず、家は中立派に乗り換えようとしている。学院では師の階級が低く派遣先の監視員として務めている。一人で自由に動くことを好むが、苦労性で無意識にあらゆる問題に首を突っ込んでしまう。虐められているルースに中途半端に肩入れしている。

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