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ロングガウンコートと垢抜け

凍えるように寒くなった。
私の住む地域は日本の西端だけど、山の上。
霧がかかればすぐラピュタのようになるし、夏も冬もいつでも海抜0m地域と温度が2度低い。
元カレとは海抜0m地域の繁華街に住んでいたから、元々虚弱体質だったのに更に寒さに弱くなった。夏に実家に出戻りした時は「なんて住み良い町なんだ!」って思ったんだけど、今では朝起きるのが辛い。

その寒さに備えて、というより4年ぶりくらいにコートを買いたくなって先日コートを購入した。
圧縮ウールで薄くて軽いのに暖かい、そのうえ海外メーカーだから袖丈が長くて無駄に長い腕がちゃんと覆われる。
淡いグレージュのロングガウンコート。これから何年も着続けるであろうコート。

プチプラ商品も大好きだけど、ある日突然それなりに高価なものも購入する。そして、購入したそれらは何年も着続ける。
3000円の商品も30000円の商品も、どちらもお手入れさえすれば長持ちするのだ。
もちろん3000円商品はお手入れしても翌年、翌々年には着れなくなったりするのだけど。

大人になって思った。いや、30を過ぎて思った。垢抜けたいって願った時にどうするべきか。
プチプラでもいいけど、プチプラはその時の流行りを反映しすぎていて大人女子が着ると5年前のデザインでもどこかチグハグになることがある。
それなれば上質なもので流行り廃りのないデザイン、もしくは自分自身を魅せるデザインを選ぶのが1番の近道なのだと。

昔の同僚で人のファッションチェックに余念がない人がいた。恐らくいくらくらいのものを着ているのか、どうしてそんなお金を使えるのかチェックしていたのだろう。彼女は同僚といえど給与の基準額が低かったから。
そんな彼女が着ていたもので覚えているのはウエストリボンの膝丈フレアスカートだ。制服のスカートが膝丈なのは文句を言っていたのに私服は膝丈だったからなんとなく覚えている。
人のファッションをとやかく言うのは好きではないのだが、彼女の落ち着いた雰囲気とそのスカートはミスマッチだった。
彼女自身はとても良い人なだけあって、なんだかその雰囲気のミスマッチがもったいないなと思っていた。

その一方で私の高校からの少し派手目な友人は今でもいわゆるギャルっぽい格好がよく似合う。彼女が着ているものは上質で彼女をよく魅せている。

やはり人は着るもので印象が変わっていく。私も可愛いものは好きだが、フレアスカートの日はリブニットにスカーフだし、タイトスカートなら甘めのトップスにしたり、バランスを取るように意識している。

垢抜けるためには自分を魅せるものをよく知ること。その一言に尽きる。
正直センスは二の次だ。自分の魅せ方さえ知っていれば、シンプルな洋服でも魅力的に人の目に映る。

フワフワのロングガウンコートを見つめながら、この子をどう素敵に着こなすか今から楽しみである。

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