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上司に父親を求めて不倫を疑われた女が居る。

 ※記事だけ書いて半年ぐらい公開してなかったものです。

 前回の後日談になる。

前回↓


 派遣の女性なのだが、やたらと上司に絡む。
彼氏の実家へ挨拶へ行ったこと、ゴルフを始めてコースを周ったこと、お祭りに行ってテレビに映ったこと、車の運転で夜の道が怖かったこと……etc、etc。

 知りたくもない情報が、次から次へと耳に入って来る。
彼女が、声高らかに上司に話しているからだ。

敬語ではない。
まるで、小さな頃からの近所に住む知り合いだ。
「ええーっ、●●さん(女性社員)、飲み会に行かないのぉ?」
 これが、朝イチ、課の代表に向かって放ったセリフである。
 ●●さんがお休みを取ったみたいなんですが、飲み会には行かないんですかね? と言いたいのだろう。
 アラサーとは思えない、幼稚さ。
そこが、上司が許してしまうところなのだろうか。

 毎日毎日、大変不快であった。

 就業して一年にも満たない派遣が、敬語もなく上司に話しかけるのも勿論だが、それを許している上司にも問題がある。

 これが続くようだったら、辞めるしかないな……。と思い始めていた。
気にしないように、というのは無理がある。
何しろ、目と鼻の先で、イチャイチャ? しているものだから、本当にヨソでやってくれ! と思っていた。

 私が彼女の席の近くで、業務を別の人に教えていたら、チラチラとこちらを見てきた。
気にしないでいたら、急に彼女が体をのけぞらせて、数メートル先の上司に目配せしながら、
「ねぇ〜〜??」
 と言い、上司も「まあね」みたいに返していたので、
え、お前ら、チャットしてたん?
マジ?
と、薄ら寒くなった。

 しかし、上司は突然の異動発表。

彼女は寂しさのあまり、何故か社員全員が会議で不在のときに上司の元へ歩み寄り、
「寂しいぃ〜っ!」
「連れてってぇ〜…」
 と、猫撫で声で訴えたのだ。

※ここは、会社の事務所である。
 派遣だけでも、この場には数十人は居た。

 気持ちが悪すぎて、同僚にチャットしまくってしまった。(地獄や、タスケテ…とか(笑))

 ちなみに、上司は苦笑いしながらかわしていたようだったが、何故叱らないのか不思議で仕方なかった。

 そして、上司の最後の就業日の昼休み。
私は、猫撫で声女と上司の絡みがストレスになるので、イヤホンをしてロックを聴いていた。

しかし、合間合間で声が聞こえていた。
聞こえていたのは、このようなこと。
「お前さぁ、毎日そんな、自分のプライベートなこと、いちいち報告しなくていいから」
「(猫撫で声女が何か言う)」
「俺は、お前の父親じゃねえから!(苦笑)」
「〜〜〜」
「XXX…」

いや、もっと早くさあー!!

 ……と、思いながら昼寝した。

 ちなみに私は、猫撫で声女と上司の「涙のお別れ」演劇を見せられるかと思うと反吐が出るので、『所用で早退の予定』だった。
 その前日、一対一で挨拶は済ませていた。

 それから、上司は部下一人ひとりの席をおかしを配りながら周り(マメだなあ)、挨拶をしていた。

 しばらくして、ぱらぱらと上司に挨拶をしに偉い人やら社員やら派遣やらが訪れていた。

 そんな中、ギャル系の女性が挨拶に来た。
ギ「次の職場でも頑張ってくださいよう!」
上「うん、頑張るよ、セクハラとかパワハラとか特に気を付けて……」
ギ「それさあー、本っ当にそう! 特に、セクハラね!」
上「(笑)」
ギ「本当に“なんにもない”んだよね!?」
上「ないない(笑)、ないよ!」
ギ「みんなのね、好意(善意、の意味だろう、気にしないフリをしてあげていたこと)で成り立っていたんだからね!」
上「気を付けます(笑)」
 という、デカい声の談笑をしていた。
この方が敬語ではないのは、全然気にならないのは、上司と長い付き合いであるからだろうか。
猫撫で声では全く無いし……。

 しかし、言いたいことを代弁してくださり、大変スッキリした。
 ああ、不快だったのは私だけではないんだな、と、正直嬉しかった。

 つまり、猫撫で声女は、不倫疑惑をかけられていたのだ。
どちらかというと、上司の方が迷惑を被ったようだ。
(下手するとそれが異動の原因か、と勘繰ってしまう)


 猫撫で声女の承認欲求の強さと、上司に父親を求めて甘えまくるのを見るに、彼女は幼少期、愛された子どもではなかったのだろう。
 30歳手前が、職場でする言動ではない。
ずーっとずっと、愛情に飢え続けているのだ。

 同じようなことが再び起こったときには、私は行動を起こすだろう。

 彼女は可哀想かもしれないが、私は仕事をしたい。
 頼む、仕事をする場所と自分の自由にできる場所とを分けてはくれまいか。
 当たり前の話なのだが、きっと1ミリも通じないだろう。

 彼女は、誰からも教えてもらえなかった。

 そして、そんな彼女は、いつも自分が浮いた存在になることの原因が解らない。

 でも、あと10年経って40歳になったら、猫撫で声も通じなくなるし、更に不倫疑惑は大きくなるだろうな。

あんなに仲良くしていた上司が、数ヶ月異動のことを黙っていたことも、ショックを受けているかもしれない。
(異動の話は最重要機密だから、当たり前だが)

 遊びに行くぅ、とも言っていたが、上司の奥様や自分の旦那さんはドン引きしないか?

 さて、幕間は終わった。

 第二幕の幕開けまで、しばしご休憩くださいませ。。