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Web3.0と暗号通貨

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暗号通貨(crypto-currency)関連のこと。政治学的な視点から眺めています。DAOやWeb3.0など。
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2019年2月の記事一覧

国家の最大の機能について――正当な物理的暴力行使の独占を(実効的に)要求する

この記事は、国際政治学徒からの、sgさんの記事に対する応答である。 sgさんは、日本で最先端をいくPlasmaの開発者である。Plasmaは暗号通貨Ethereumのlayer 2nd solutionsのひとつで、EVMの処理をネイティブ・チェーンから逃がしてchild chainで行う理想的な技術である。 ぼくが彼をフォローしているのは、彼が技術者であるだけでなく、技術が現実にどう影響するのかを、真摯に見つめているからである。現実と技術の接点を見つめたうえでPlasm

ライトニング・ネットワークを試そう!

こんな声を聞いたことはありませんか? 「ビットコインは送金速度が遅いから使われない」 「ビットコインは送金手数料が高いから使われない」 「ビットコインはみんなが使うとキャパオーバーで使えなくなってしまう」 ハイ、これらすべては過去の話です。 たしかに、送金速度は遅いです。ブロックタイムが10分間なので、オンチェーンに残高が記録されるのは10分毎です。送金手数料は高いですよね。とくにみんなが一斉に送金すると、送金手数料の高い順に処理されていくから、手数料を上げる必要が

"Binance will transition from being a company to a community" and Now.ーー「我々バイナンスは、会社からコミュニティに変わる」そして今

バイナンス、という暗号通貨の取引所がある。 取引高世界一の取引所で、暗号通貨界が活発だったときには四半期利益が2億ドルを超すほどの勢いもある。それでもなお、その地位には満足せず、革新的なサービスを生み出しつづけている。ついに昨日、DEXをテストネットに上げた。 この記事は、コミュニティ化するバイナンスを、観察したものである。 ※ 暗号通貨の取引所と聞くと、怪しげに思われるかもしれない。言ってしまえば証券取引所と一緒だ。顧客の資産を預かって、取引してもらって、取引手数料