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梨泰院ハロウィン大惨事

まだまだ衝撃の大きさからなんと事故に名前をつけていいのやらのショッキングな事件だが・・・小さな要因がたくさん重なり、大勢の若者の命が犠牲になってしまった。
日本人の若いお嬢さんも2人、そして世界14ヵ国の外国人も同時に命を落とす事件になってしまった…心からご冥福をお祈りしたい。
今回事件のあった場所は、梨泰院の象徴、六本木で言うところのアマンドにあたるお待ち合わせのメッカ『ハミルトンホテル』のすぐ脇にある小さな路地裏・・・悲劇は何故起こってしまったのか。

圧死のメカニズム?

今回の犠牲者は女性が98名、男性が56名で女性が男性の倍近くにのぼる。人間は体重の5倍の圧力が10分以上掛かると心肺停止となり、30分以上かかるなら体重の3倍でも死に至るという。つまり体重の少ない女性は、体格の良い男性2人分の体重が10分かかっただけで死に至るし、逆に男性は体重の5倍までの重みがかかる状況になりにくかったということ(とはいえ56名も命を落としているが)である。

警察の警備が手薄だった

尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権になって、「鐘路区」にあった大統領府(青瓦台)を国防省のある「龍山区」に移したことにより、梨泰院のある龍山区の所管の龍山警察署が大統領室近辺警護で多忙となり、ハロウィンに人員をさけなかったことが災いしたとも言われている。

梨泰院に人が集まり過ぎた

言わずと知れたドラマ『梨泰院クラス』の爆発的人気と、3年ぶりのハロウィン解禁に異常な人数の人が集まることとなり、10万人以上の群衆が梨泰院に集結していた。手薄な警備の中、従来ハロウィンでは閉鎖していた通りにまで人が入ってしまったという事情もあるらしい。

8年前のセウォル号事件、再び…

韓国は防ごうと思えば防げる、いわば『人災』が多い。記憶に新しいところだと2014年に起こった『セウォル号事件

修学旅行で済州島に向かう高校生を含め、300名以上の多くの命が失われたのだが、沈没後の海上警察の救援体制や、脱出ボートの整備不良、船長はじめ乗組員の職務怠惰など、まさに『人災』だと国際的にも非難を浴びた事件である。

私は1998年の留学時代、旧三豊百貨店の横をバスで通りながら、江南聖母病院というところの皮膚科の先生3人に日本語を教えるアルバイトをしていた。

欠陥工事ゆえにデパートが陥落し、多数の命が犠牲になった。こちらは1995年の事件で、この時の犠牲者はなんと死者502名・負傷者937名・行方不明者6名である。現在はマンションが建っているとのことだが、当時は幽霊を見かけるなどといった噂もたくさんあった。

1994年には漢河にかかる聖水大橋が崩壊し、バスで通学途中だった高校生を含む32名が亡くなっている。手抜き工事による死亡事故…まさしく人災である。

渋谷のハロウィンと比べ

時には税金の無駄遣いだろうとツッコミたくなるほど日本の渋谷のハロウィンの警備は警察官が多数配備され…今年は350人だったと記事にあった。ただこうしたやり過ぎが、日本では人災を防いでくれている下支えになるのだとも思う。備えあれば憂いなし、といったところだろうか。

ミリミリ精神

韓国語で「ミリ」とは「前もって」「事前に」といった意味になるが、異常にこの言葉を私が使っていたのに対し、友人達の口から「ミリ」なんて言葉が出ることはほぼなく、事前準備するよりも「起こったらその場で」「何かあったらあったときに考える」といった考えの人が多いのか韓国の特徴だ。

私が韓国人や韓国企業にうんざりしてしまった理由もコレで、「今の段階でこれだけのリスクが見えるのに何故ここで強行?」ということが、学校でも会社でも多々ある。

韓国は日本以上に縦社会で、上に立つ者はイエスマンだけを側近に置きたがるため、しわ寄せは全て末端の人間に来るのだが、皆がその体制下で育っているせいなのか、国民みんなが慣れていて、不満もさほどないのだ。日本で育った人間には違和感しかないのだけど。

散々時間をかけて担当者が調べたり先方と打ち合わせした案件でも、つるの一声で180度方針が変わるなんてことはザラだ。日本人のメンタルではまさに「なんて日だ!」という事態がよく起こる。

もちろん良いことある。何事においても、決定から実行までが早く、修正も早いので時代に取り残されたりすることは韓国は絶対にない。日本の慎重さや、万全でないと実行しない、責任の所在がはっきりしない事はとりあえず保留の文化はスピードを求められる場では相当不利ではある。

話がだいぶ日韓比較になってしまったが、韓国は今後反省すべき点を改善して、国を挙げて命を守る国家であってほしい…

再度、154人の犠牲者のご冥福をお祈りしたい。合掌。


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