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【酒ログ】 田酒 純米大吟醸 百四拾   (青森県青森市 西田酒造店)

北の魔女が死んだ。札幌に住む叔母が亡くなったと連絡があった。30年以上ご無沙汰していた方なのだけど、子供の頃によく遊んでもらった事を思い出す。こんなご時世なので、葬式への参列は遠慮することに。残念だな。冷蔵庫の中から、一番札幌に近い場所で作られた酒をということで田酒を出してきて献杯。コロナが落ち着いたら線香上げにいきます。

田酒は言わずと知れた大人気酒。私は田酒を燗にして飲むのが好きなのだけど、とある飲み会で入った居酒屋に田酒が置いてあったのでオーダー時にぬる燗をお願いすると「また素人が変なこと言いやがって」みたいな感じで嫌な顔をされ「お客さん、悪いこと言わないから冷で飲んで!」と断られたことがある、田酒の燗、うまいのにな。

今日飲んだのはいつもの安い「特別純米」ではなく「純米大吟醸」です。四合瓶で三千円なのでなかなか買えない価格帯なのだけど、お店の方に「いつもの田酒はないけど、これはどう? 今飲まないと次いつ飲めるかわからないよ?」と言われ、二つ返事で購入。レコメンドに弱い。

開けて一口いただくと田酒らしく味も香りも甘い。とはいえ、甘さが舌に残るような感じは無くてキレがある。雑味は殆ど感じず、苦味は少ない。すこし酸があるけど良い印象。田酒のスタンダードである特別純米は、この価格でこの味! という驚きがあったけど、この「純米大吟醸 百四拾」は、40%磨きの純米大吟醸という枠で考えると、最近流行りの味ではないし、磨いた割には重たさもあり王道感は無い印象。しかし、そんな細かい事はどうでもよい、この酒は王道感の上を行く田酒感にあふれいて尊い。うまい。

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  品名:田酒 純米大吟醸 百四拾
  蔵元:西田酒造店(青森県青森市)
  酒米:華想い 40%
  度数:16%

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酒米の「華想い」はおそらく初めて飲むのだけど華やかな香りは酒米由来なのかしらね。主に青森県で作られている酒造好適米で「山田錦」と「華吹雪」という共に大粒の酒造好適米を両親に持つのだけど、この「華想い」は小粒なんですって。米の大きさを定量的に計る方法に千粒重という指標があるのだけど、これは玄米米千粒あたりの重さで米の大きさを表すもの。この千粒重が山田錦は27〜28gで華吹雪が29.4gと大粒なのにたいし、この華吹雪は24.3gと結構小さい(参考:酒米ハンドブック)。いつもの田酒と比較して香りが華やかなのは米の影響なのかな。

「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。