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毎日読書#212 『紳士靴を嗜む はじめの一歩から極めるまで』(飯野高広)

ファッションに疎い。興味が無い。他人を不愉快にしなければ良いという視点のみでここ20年の社会人生活を生きてきた。

無難であれば何でも良いのだ。そんな訳で、何が無難であるか? ということはよく調べていた。ファッションに疎く、興味がないのにもかかわらず、よく調べていた。難儀な性格だ。

そこで、一つの着地を見つけたのが20年近く前だ。

パンツは、適当なチノパンで済ませる。そして、マメに履き替える。古くなったらすぐに捨てて、新しいものを買う。採寸や裾上げ等が面倒なので、ユニクロで同じようなチノを、同じようなサイズ指定でネット通販だ。

上半身は、春夏秋冬を通して白シャツ。いつも、同じ白シャツを10枚買う。そして、これがほつれたり、ボロくなってきたりで処分が進み、残り5枚に減ったら、この5枚も処分してまた新しいシャツを10枚買う。おなじ店で同じサイズのものを買う。

この白シャツに、冬はユニクロのセータを着る。これは安いやつをシーズンが始まったら5枚買い、シーズンが終わったら捨てる。

ジャケットも着るが、これもユニクロだ。袖がほつれたら捨てて、同じものを買いに行く。

平日は毎日この格好だ。週末も、シャツは着ない場合があるが、シャツを着ないだけで、それ以外は平日と同じものを着用する。

もう、10年以上、20年未満、この生活を続けているが、とにかく楽なので気に入っている。

靴は、スニーカーの場合は、店員に一番オーソドックスでスタンダードで目立ちもしない物を聞いて、3店位まわって多数決で買う。似合うとか、似合わないは気にしない。わからないから。

革靴も、同じロジックで揃えているのだけど、革靴は全て黒の内羽式ストレートチップだ。6足揃えていて、メーカーもバラバラなのだけど、形は全て同じ、内羽根のストレートチップ。

これは、とても便利だ。何が便利って、これを履いていれば、どこへ言っても文句を言われないことになっている。結婚式でも、葬式でも、客先でも学校の行事でも、どこへ行っても大丈夫だ。これが、黒以外の色だったり、先が尖っていたり、外羽根だったりと、なにか一つでも外れると、フォーマルな場で解ってない奴呼ばわりをされる。別におしゃれをしたいわけではないので、ともかくこれだけを履いていれば問題無いと知り、ずっとこの形だけを履いてきた。

なぜこんな本を手に入れたのかというと、この本よりも先に手にいれた靴磨きの本が面白かったので、その興味からあれこれとネットで調べていたら、ものすごく深い趣味の世界が広がっていて、その手の方々がバイブルのようにこの「紳士靴を嗜む」を紹介していたからだ。

なぜ、靴を磨く本を買ったのか。それは、こんなに服装に興味のない生活をしていた余波で、靴が想像以上に長持ちしてしまい、なんと、一番古い靴達は、もう20年選手となっている。そして、この古株の靴は、自分の結婚式や友人達の結婚式で履いたし、子供の入園、卒園、入学でも履いた。友人の葬式でも履いた。靴底が薄くなり、もう2回も修理に出したし。要するに愛着が湧いてしまった。こうなったら死ぬまで持たせたいなと思い、ちゃんとしたメンテナンスを学ぼうと思ったのだ。

そして、そもそも靴ってなんだ? ということろに興味がうつり、本書にたどりついた。

いやぁ、本書、素晴らしい網羅性です。一度に最初から最後まで読むような本ではないのだけど、たまにパラパラとめくるには楽しい本。

靴が好きな方も、靴に煩わされず楽をしたい(が、かえって手間をかけるようになってしまった)私のような方にも。

オススメ。

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