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相生あおはの放浪旅行記 (part1/7)

この記事はオモゐデ漁船アドベントカレンダー2020 16日目の記事です。

    こんにちは、相生あおはと申します。DTMer引退したので旅行記書きます。当初はサクッと書こうと思ったんですけど6泊7日の旅行をそんな圧縮するのは無理なもんで気づいたら4日目途中で2万文字超えてました。ひぇ。なので急遽日別に記事を分割しました。よって今ご覧になってるのは紹介パートと1日目行程です。なかなか濃密な旅になりましたので酒のつまみとかに片手間で読みながら是非7日目までお楽しみいただければ嬉しいです。

0. 自己紹介と旅程の概要紹介

    ピアノ弾いたり曲聴いたりコーディングしたり音ゲーしたり電子工作したりマイクラしたり地図眺めたり旅してる猫です。よろしくおねがいします。出身は神奈川で今は仙台に暮らしてます。

    本記事に関連する自己紹介もしておくと、大学1年から休暇ができる度にいろんなところに旅していました。ただこれは、旅行商品を購入するのではなく基本的には鉄道旅とし、切符作成や旅程、目的地を全て自分で決めるという、狭義?の旅です。また、ただ鉄道に乗るだけではつまらないので、沿線の風景や地形の成り立ちなど、様々な物事に思いを巡らせながら旅するのがエモくて大好きです。そのためオタッキーな内容もあるかと思いますが、「へ~」と思うか読み飛ばすかしてください。

    次に、旅のモチベを書かないといけません。この時の私は卒業研究で心身が壊れて死ぬように生きていた状態でした。なので無理やり卒論に蹴りを付けてまるで研究室から逃げるかのように仙台を発ち、大学4年間で一番頭のねじが飛んだ旅をしてやろうと計画したわけです。旅がとても好きなので逃避という色合いが多分強いです。

    本項の最後に、全7日間の旅程の概要も付しておきます。

1日目(2020/3/13) : 仙台→金沢
2日目(2020/3/14) : 金沢→大阪
3日目(2020/3/15) : 大阪→出雲市
4日目(2020/3/16) : 出雲市→相生付近(寝台特急泊)
5日目(2020/3/17) : 静岡付近(寝台特急泊)→札幌
6日目(2020/3/18) : 札幌→苫小牧(フェリー泊)
7日目(2020/3/19) : 仙台到着

    それでは、6泊7日換算というすさまじく長い記事になりましたが、お付き合いの程よろしくおねがいします

1. 行程1日目開始 仙台出発から米沢到着まで

    4,000km以上の移動となる大旅行の始まりです。本日の旅程は、日本海側に出て、沿岸を西進して金沢を目指す行程です。まずは最寄りの長町駅(仙台の隣駅)へ。ちなみに私のTwitterの通常ハンネにある"長町の人"はここから取ってます。授業終わりによく買い物に来てたのが由来です。

    この時点で既に切符に違和感を持たれる方もいるかもしれません(下図)。経由地点が多すぎて駅員さんの手書きが加わってます。こういうアホな切符を購入するときは予め経路をしっかりと決めておき簡潔に伝えるようにして、駅員さんを混乱させないようにしましょう。

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    仙台に到着。ここから日本海側を目指すべく、まずは仙山線で山形へ(下図)。快速だと約1時間で着くらしいです。近いですね。仙台市山形区と揶揄されるのも頷けます。

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    列車はちっぽけな無人駅をすっ飛ばして山形を目指しています。しかしこの路線は仙台市青葉区と山形市以外の自治体を通っていないため、一見すると面白みがありません。ただし、特に仙台市は青葉区だけでも面積は神奈川県横浜市に匹敵する面積を持つ上に東西に長いため、車窓の変化は非常に富んでおりとても同じ仙台市内とは思えない風景が広がります。

    例えばこの光景(下図)。ここはまだ仙台市青葉区ですが遠くには冠雪した東北地方の背骨、奥羽山脈が望めます。ビルが立ち並ぶ仙台駅前の面影を一切残すことなく車窓は大自然を映します。

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    列車は深い渓谷に掛かる深紅の橋、紅葉シーズンには見物客が絶えない熊ヶ根橋を越えると(下図)、面白山高原の下を5.3kmの長いトンネルで潜り抜けます。この面白そうな名前は、山の表面が白っぽく見えるのが由来だそうです。なんでもこの山は輝石安山岩と呼ばれる、黒地に白くぽつぽつした岩でできているそうで、冠雪していなくても白く見えるんだとか。

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   国境の長いトンネルを抜けると山形であった。車窓右手に鍋が見え、そのシュールさに思わずパシャリ(下図)。ご存じない方のためにご紹介すると、東北地方には芋とか肉をごった煮して盛り上がる"芋煮会"というイベントがあるのです。そしてここ山形市ではあの鍋を使い、ショベルカーで具材をかき混ぜて市民で平らげるという一見すると狂気とも思えるイベントを行うらしいです。このイベントは東北地方のニュースとして仙台でも報じられるのですが、大学一年の時はテレビの前で唖然としていました。

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    零れ話ではありますが、各地域で味付けや具材に特色があり、山形風、仙台風、福島風といった具合に様々な種類が存在します。そして厄介なことに、誰もが地元の味に自信を持っているため、「どの地域の味が一番か」という質問を他地域の新入生が投げかけると、彼の"キノコタケノコ戦争"をも凌駕する戦争が始まるので、決してこの問を投げかけてはいけません。気を付けましょう(1敗)。

    列車はもうじき山形駅と言ったところ。ここはひとつ前の北山形駅(下図)。向こうに見えるは"左沢線"という路線のホームです。

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    さてここで問題ですが、"左沢"と書いてなんて読むかご存じでしょうか。正解は"あてらざわ"です。無理ですね。その由来は、ここら辺の偉い人が北進しながらの登山中に"あちら"と指した西の方角にある沢が進行方向左側だったかららしいです。では東の方角に右沢という地名は無いかというと…現存こそはしませんが"かてらざわ"という読みで存在していたとのこと。あちら、かなた、ということでしょうか。現在では"朝日町"とまさに日の出の方向らしい地名となっているらしいです。

    列車は右手に最上氏の山形城の城壁跡を臨みながら(下図)、山形駅に到着。ここから奥羽本線に乗り換え米沢駅を目指します。が車窓はずっと田園風景で代り映えしなかったせいか記録は無し。遠目に見える奥羽山脈ももう見たしね…

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2. 米沢出発から坂町到着まで 地獄の米坂線

    米沢駅に到着。在来線ホームに新幹線が停車しているという光景はなんともミスマッチです(下図)。経緯とか背景は長くなりすぎるので書きませんが、気になった方は"ミニ新幹線"とかでググってみてください。

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    ここ米沢駅から米坂線に乗って新潟県の坂町駅、日本海沿岸を目指します。あぁもう見るからにいかにもローカルな雰囲気が嫌なくらい漂ってきます(下図)。ここからさらに列車本数が減り、車社会となった集落を横断していきます。

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    車窓はいたって普通な田舎の風景です。代り映えしない車窓は3秒で見飽きましたが乗車時間は2時間程。いわゆる苦行です。あまりに暇なので車窓から見える道路や住宅を眺めながら「この地にはどういう人の暮らしがあるのだろう」と考えて時間つぶしをしようと考えましたが、2時間の穴埋めにはならず。ただ新潟へ鉄路で抜けるにはこの経路が最短ゆえ、ただ耐えるしかない。

3. 坂町出発から新潟到着まで 新潟で酔いつぶれるの巻

    2時間の苦行を乗り越え列車は新潟県村上市は坂町駅に到着。目的地の金沢はまだ遠くですが既に疲労感がヤバい、と思いながら列車を降りると潮風の香りが。ふと遠くに目をやると日本海が見えました(下図)。海の近くで生まれ育った身としてはこれだけでも生き返る心地でした。

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    ここ坂町から新潟までは近代的な電車に揺られること1時間。先ほどの米坂線の気動車とは違い速度にメリハリがあります。電化路線で新型車両というだけでどことなく快適に感じてしまうのは不思議なものです。いや当然か

    新潟到着(下図)。仙台を発ってから既に4時間半が経過しています。なげぇ。この仙台→新潟の経路を最短時間で行く場合は、なんと一見遠回りしているように見える大宮経由の新幹線利用(なんと2時間半!)が断トツ一位なの勘弁してほしい。

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    さてここ新潟では乗り換え時間を2時間50分とあえて長めに設定。駅ビルの海鮮丼屋での腹ごしらえはもちろんですが、お目当てはやはりここでしょう。日本酒好きなら絶対行くべきスポット、ぽんしゅ館です(下図1)。ここでは"唎酒"と称し、定額で90種以上の日本酒から5種選んで飲むことができます(下図2,3)。かくいう私は倍払って実は10種飲みました。DrunkenNekochanの完成。5種じゃ足りないやん?個人的には94番の地上の星(千代の光酒造)が好みかなーと思いましたがどれも美味。そもそも酔ってて味の弁別ができるかどうかという疑問があったが、それでも穀物の香りがする種やピリっとした種、滑らかな舌触りの種など素人でも明確に味の違いが分かりました。

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    併設の売店で日本酒好きの私の父おススメの鶴齢を購入し、再び新潟駅ホームへと向かいました。本当は新潟県に来たというChunithm称号を得るためにゲーセンに行く予定であったが新型ウイルス騒動で休業中。しゃーない。

4. 新潟出発から金沢到着まで 初日最後の移動に安堵

    ここ新潟からは一本で金沢には行けません。北陸新幹線が通る上越妙高駅まで列車を乗り継ぐ必要があります。次乗るのは特急しらゆきの上越妙高行。ホームを確認するため案内板を確認。この、あまり聞きなれない地名がずらっと並ぶ中に目的地がある光景、旅情を掻き立てられて私はとても好きです(下図)。豊栄(とよさか)に新発田(しばた)、一見読みづらい地名は日本全国まんべんなく偏りなく分布している気がします。

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    列車の来るホームに上るとそこには新幹線改札口が(下図)。初めて見る光景やなぁ。現在新潟駅は絶賛工事中とのことで、なんでも上越新幹線から秋田方面の特急へと対面乗り換えができるようになるとのこと。こりゃー便利だ。東京駅にも作って欲しい。

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    しばらく待っていると列車がホームに滑り込んできました(下図1)。上越妙高まで2時間。鈍行ではないのでそれなりに快適でした。車窓はというと、北陸道難所と言われる親不知が沿線にあるのを思い出されるほど海岸すれすれを通る光景もあり、冬の日本海の勇ましい姿を拝むことができました(下図2)。車内はというと閑古鳥が乗車。特急ですらこの様子。経営が心配。

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    上越妙高駅到着。時刻は日没を過ぎた18時半頃。ここの駅は北陸新幹線開業に伴ってJRから切り離され私鉄化した駅。経緯とかは長くなるので、知りたい方は"並行在来線"とかいうワードでググってみてください(投げやり)。改札も見慣れないフォーマット(下図)。木製で味のある有人改札の柵がなんかエモかったです。

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    駅構内を少し進み北陸新幹線の上越妙高駅改札へ。こちらはJR東日本の駅です。生まれ育ってからずっとJR東のエリアで生きてた身としてはどことない安心感がありました。ホームには可動式ホーム柵が(下図)。最近開業した駅はどこでもありますよねこれ。設置に数億円かかるわ増設するにも補強工事が必須で大変とかいっても、ホームで待ってる身としては安心感ハンパないので資金の許す限り無限に設置してほしいです。なんて思ってたら金沢行きの新幹線が入ってきました。ようやく本日の宿が見えてきました。

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5. 金沢到着 いつもの味に舌鼓 それと称号

    金沢到着(下図)。出発から11時間強でした。初日なのに正直疲れました。米坂線が全ての元凶です。仙台から新潟まで直でつなぐ新幹線が欲しい

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    ここ金沢はいままで5回くらい訪れている街です。なんとなく惹かれてる街の一つ。なんででしょう。

    金沢と言えば何を想像されるでしょうか。金沢城や兼六園などの加賀藩関連、金箔、足を伸ばして輪島塗とかでしょうか。金沢駅はそんな見どころたくさんの石川県のターミナル的立ち位置をしているらしく、駅併設の商業エリア"金沢百番街"や1階コンコースの柱は石川県各所の特産品で装飾されていたりと、見どころたくさんで駅を回っているだけでも時間が溶けます。紹介は省きますが、金沢駅を使われる際は是非この辺りを回ってみてください。実は新幹線ホームだけでもよく目を凝らすと柱上部に金箔が貼られた装飾がされています。到着したら是非見つけてみてください。

    零れ話をすると、先述の金沢百番街には地酒コーナーが存在しています。石川門というのが私のお気に入りです。日本酒好きの方はぜひ。

    まぁ金沢駅と言うとこれでしょう(下図)。この鉄骨美。私は建築は一切わかりませんがなんか見惚れます。2日目行程の冒頭で紹介する鼓門の方ばかりに目が行きがちですがぜひこちらも注目してほしいです。この広大な天井を柱無しで支える技術、なんとなく凄そう(こなみ)。画像右半分に見える円のパーツ内はアンカーが星形に結ばれています。景観だけでなくなんか意味があるんだろうなぁ。建築系の友人に聞いてみるか

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    宿に荷物を置いたら、まずは金沢に来たら必ず寄るラーメン屋、豚蔵さんへ行きます。所在地はなんと金沢市長町一丁目。長町の人としては外せない(下図1)。ここのラーメンは私がたまに高校時代に食べてた横浜家系ラーメンに似た味で(下図2)、地元神奈川から遠く離れたここ金沢の地、かつ長町という慣れ親しんだ名を冠した地で懐かしの味を堪能できるのはなんとも表現できないエモさがあります(語彙力喪失)。

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    懐かしの味・いつもの味を堪能したらばゲーセンへ。石川に行ってきました(下図)。

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    翌日2日目は、3日目に備え早めに宿に着き休息を取るために7時前に発ちます。宿に戻ると時刻は21時半を示していました。翌日2日目の5時起きに備えるため早めに眠りにつきます。

2日目


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