ストレスが溜まると声が出なくなる。
声が出しづらい。
喉に何かが詰まったような感じがする。ヒステリー球というらしい。
息がしづらい。首を絞められている感じ。酷くなると何もしてなくてもえずく。こんな状態でまともな声が出るはずもなく、絞り出すような弱々しい声で少し喋るだけで喉が痛む。
耳鼻咽喉科に行っても喉に異常はなく、ストレスが原因と言われる。
向精神薬を処方されて、飲むと数時間効果はあるが根本的な解決にはならなかった。
心療内科に行っても、同じようにストレスが原因と言われて向精神薬が処方され、ストレスを避けてくださいと言われる。
仕事がストレスの原因だったが、当時新卒2年目の私に仕事を辞めるという選択肢はなかった。
試行錯誤と諦め
どうにかして改善しようと、漢方薬を飲んだり、発声教室に通ったり、カラ
オケに行って声を出す練習をしたりした。
腹式呼吸、喉を開く、息を強く吐き出す、喉に力を入れない、声を口の中で反響させる等々いろんなことを試したが、どれも一過性の効果しかなかった。
こういうアドバイスって元々声が出る人のアドバイスだから的外れなんだと思う。自分に合う方法は試行錯誤して自分で見つけるしかない。
自信がないから声が出ないんだと思って、英語の勉強を頑張ってTOEICで950点取ったり、フルマラソン完走したり、会社のコンペで一番になったりしたが、自信はつかず、依然喉の詰まりも変わらず。ちなみに、自信というのは根拠がない方がいいと思う。
10年ほど挑戦したり諦めたりを繰り返したが、一向に良くならないので、この状態を受け入れる方向に方向転換した。諦めた。
治さないとまともな人生は送れない。
でも、首を絞められた状態で生きていくのは本当に辛い。
初めて会う人と話すとまず声にギョッとされる。この反応は長年受けてきたので、慣れてしまったが、第一印象が最悪から始まるというかなり大きなハンデにいつもため息をついていた。
まともな人であれば喋る内容で人柄を判断してくれるが、そうではない人だと声の大きさ、声質で判断してしまうようだ。こういう人との会話は無理。ただこういう人たちってかなり多い。。
私の場合の改善方法
まず仕事を長期で休んだ。ゆっくり休息をとって、本を読んだり散歩したりした。
しかし、ストレスの原因を取り除いたはずなのに喉の詰まりは改善されなかった。どうやら原因は仕事ではなかったようだ。
ある本で「他人が思う自分像に自分から無意識に寄っていく」ということを知った。例えば、学校のクラスでカーストが決まると自分のカーストの役割を演じるが、本人にその自覚はないらしい。
今の自分は、他人が思う自分を演じてるんじゃないだろうか?
改善するには本当と自分になる、ということか。これもどうも違う。
本当の自分というのは、今の自分ではなく、より良い自分ということ。そんなものはない。本当の自分は幻想だと思う。
「本当の自分になる」ではなく「自分をやる」
日本語としてはおかしいが、私の場合これがピタリとはまった。
「自分をやる」と思うと喉の詰まりが消える。声がはっきり出るようになった。
「自分をやる」というのは誰がどう思おうとも自分は変わらないし、変われない。他人からのレッテル張りの影響を受け付けないという宣言だと思う。
他人が思う自分を演じてると苦しくなる。
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