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ギャグマンガ・4コママンガ千冊 122〜137冊目 『魔法陣グルグル』 単行本 全16巻 感想


『魔法陣グルグル』(エニックス)衛藤ヒロユキ


1992年から2003年まで『月刊少年ガンガン』にて連載されていた『魔法陣グルグル』(エニックス)衛藤ヒロユキ を読んだ。2012年より続編である『魔法陣グルグル2』が『ガンガンONLINE』にて連載中のようだ。私が小学生の頃に連載されていたマンガなんだけど、この漫画は読んだことはなかった。しかし、キタキタおやじは不思議と知っていた。古本全16巻で千円で売られていたので、飛びつくようにして手に取り買ってしまった。

勇者教育虐待を受けてきた少年ニケと長年家に閉じ込められていた少女ククリが、魔王ギリの手から世界を救うために旅に出るという物語となっている。王道ファンタジーの展開をハズしていくギャグファンタジーといった趣きである。第三者からの冷静なツッコミが所々テロップで挿入されて、アニメ『ちびまる子ちゃん』のナレーターのようなノリを感じた。そういうツッコミにクスリと笑ってしまう。とにかく、普通のファンタジーの成り行きを辿らない。そこが、このマンガの面白さだろう。カッコよく敵を切り倒すなんてことはほとんど起こらない。なんだかよくわからないが、結果勝ったので良しということが多い。燃えるような熱い展開とか、死力を振り絞って戦いに勝つとか英雄的行動がないので、なぜかしら安心して読んでいけました。

絵柄がカワイイんだけど、デザインや話の展開がほんの少しばかり狂気を帯びているところに魅力を感じました。主人公のニケとククリが、ほんとにクソガキなのも良かった。ニケは勇者とは思えない性格で、ほんとに盗賊がふさわしい。ククリは夢見る乙女全開。キタキタおやじを筆頭に、とにかくおじさんがたくさん登場して、活躍します。火、水、土、風の精霊の王たちもおじさんですし、敵も味方もおじさんだらけです。みんな、どうかしている人たちです。キタキタおやじは勇者パーティの一員ではないはずなんですが、いつも必ず勇者たちと行動を共にすることになる。共にするというか、なぜかいるんですね。そして、一所懸命に踊っている。イカれたキャラクターたちのRPGゲームとして楽しめるマンガとなってます。

あと、このマンガはとってもサクサク読めた。ギャグマンガ千冊のチャレンジをしている中で、今のところ、読む進めるのがいちばん早かったと思う。余計な説明セリフとかないからだろうか。ぱっぱっと読んでいけて、気持ちよかった。読んでいる最中はランナーズハイみたいな感覚を得ていた。

ニケとククリがファンタジーの王道から逸れて、ぐるぐると回り道をしている、チンタラ道草を食っている、くるくると右往左往しているのをニヤニヤと笑いながら、スイスイ読むのが愉しいマンガでした。

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