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ギャグ/4コマ漫画千冊 229〜244冊目 『磯部磯兵衛物語〜浮世はつらいよ〜』 全16巻 感想


『磯部磯兵衛物語〜浮世はつらいよ〜』(集英社)仲間りょう

2013年から2017年まで、『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載されていたのだが、ちょうどこの頃はジャンプを読んでいなかった。気にはなっていたので、この機会に読んでみた。奇遇なことに、今夏にWOWOWオリジナルで実写ドラマ化されるそうだ。ちょっと楽しみにしている。『ピューと吹く!ジャガー』みたくならないといいなと思うで候。

武士になるために武士道学校に通う青年・磯部磯兵衛の、志は立派だが行動は一切伴わないダメ人間っぷりが浮世絵風のタッチで描かれている。磯兵衛の鼻につく言動にイライラさせられながらも笑ってしまうのだが、某ハマーさんに抱いた感情と似ているYO。舞台は江戸時代あたりで、ペリー提督や天草四郎時貞、宮本武蔵の亡霊、平賀源内、葛飾北斎などが登場する。みな奇天烈なキャラとなっている。もちろん、時代考証は正確ではない。磯兵衛が熱中している春画が物語のキーアイテムで、ペリーも最高の春画を探し求め日本に来航する。

なんかありそうでなかったなというのが率直な印象で、読んでいて絵柄が私の目には新鮮に写りました。見苦しい言い訳を滔々としている奴を傍から眺めているときに湧いてくるおかしさが描かれているので、そういうのがお好みでしたら楽しんで読めるでしょう。ドヤっているときの磯兵衛の顔もなかなかにいい表情をしているので見てみてほしいですね。とにかく、磯兵衛の顔芸が面白かったです、この漫画は。台詞も記憶に残るものが結構ありまして、「頭が高い 処す?」「ホンギャロス」「ヘドが出るで候!」など、覚えてしまうものがあるでしょう。

気軽に読んで楽しめるギャグマンガでしたね。有名な浮世絵の構図そのままに、漫画に登場する磯兵衛などのキャラで模写して再現しているコマは面白味があって良かったです。浮世はつらいよと感じたとき、この漫画を読むと、肩の力が抜けていい具合に人生を処せるかもしれません。どうでしょうか、処す?処す?

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