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訪問医療マッサージ集客の極意ー合意形成でマネジメント

コンセンサスマネジメント

「マネジメント」とは何か。そう聞かれたとき経営者や上司という立場としてしっかりと回答することはできるでしょうか。マネジメントという概念は多種多様であり、企業によって、それぞれ考え方が違うかもしれません。ここでは、「部下や社員にどうしたら動いてもらえるか」という視点からマネジメントについてお話していきたいと思います。
 マネジメントは「組織」と同じように目的達成や成果を上げるためのツールの一つであると考えます。これまでのコンサルティング経験の中で、しっかりとマネジメントができている組織はわずかしかありませんでした。

組織というのは、さまざまな価値観を持った人々の集まりですが、組織の目的はただ一つ「成果を上げる」ことです。まずはこの「成果」という概念について説明します。成果とは、決して数字だけで表されるものではありません。数字で評価できる職種とそうでない職種があります。簡単にいうと、営業職は契約数や売り上げなどが一般的に成果として見られていますが事務職は、数字で表すことはできません。それでも限りなく数字で表す必要があります。

実は、営業職で成果と呼ばれる「契約数」や「売り上げ」は、得られた成果の一部を見ているに過ぎません。営業職は契約数や売り上げ以外にも、営業活動をする中で得られた気づき、人脈形成、営業トーク、失敗や成功など目に見えない成果が隠れているのです。
 成果の中で数字という指標は大切ですが、マネジメント側はそれ以外に得られる成果というものも、見ることのできる目を持たなくてはなりません。例えば、もしあなたが「数字を利用して人の心を動かしたい」と考えたときも、契約数や売り上げ数字以外に、社内における日々の人間関係や気遣い、挨拶といった目に見えない成果にも着目し、数字と合わせる必要があります。

つまり、数字で表した定量的評価、そして数字ではない定性的評価、両方で評価するのです。経営者の中には、悲しいかな数字のみの結果で、部下や社員の人格までも評価してしまう人がいます。「数字が悪い=担当者の人間性に問題がある」という考え方です。この項の最初で、人は感情の生き物であると説明しました。人間にはフィーリングという不思議な感覚があります。人間性を否定されているとき、口に出さずとも相手は気づいているものです。成果と人間性は別の事柄です。区別して考えなければなりません。感情と事実(起きている事柄)を切り分けることが大切なのです。

さて、当社が組織マネジメントで重視している点は「説明」から「合意」を図るというプロセスです。これからの時代、組織で人に動いてもらうためには「説明合意」が必要です。
 組織とは役割の集合体であるとお話しました。つまり事業を継続・運営、あるいはスタートアップのようにこれから何かを開始するには、それぞれ役割が必要です。例えば「君にはこの役割を担ってもらいたい。だからこのくらいの給与でどうだ」「君が入社した後、うちの会社ではこんな研修をやっているので参加する必要がある」「今の仕事はこれだが、この仕事も担ってほしい」などです。人に役割を担ってもらおうとする場合には、お互いの合意が必要になります。この説明と合意を合わせたものが、「コンセンサスマネジメント (Consensus Management)」なのです。

例えば、部署移動や新しい仕事を任せるときには、上司が部下の面談を行うと思いますが、それは形式的でとてもシンプルなものでしかありません。ここでいうコンセンサス(合意)とは相手との100%の合意です。100%の合意を得るためには120%の説明をしなければなりません。私のクライアントも、この「説明」がとても不足しています。中途半端な内容や納得のいかない説明方法では人は動いてくれませんし、無理やり配置したとしても十分機能するわけはありません。

理解はできたけど納得はしないという人がいますが、これは感情が邪魔している状態です。「説明」のプロセスでやるべきことは、「理屈で説明し、感情に訴えかける」ということです。この理屈に必要なのが数字であり、話し方です。理屈=論理的思考です。人を動かすには、論理的思考と感情に訴えるような話し方を訓練する必要があります。
 私がこの言葉の力の重要性に気づいたのは、あるYouTuberの動画を観たときです。YouTuberは新しい職種で、その営業方法は本人のキャラクタを元に考えられていることが多いようです。そのYouTuberの話し方や講演は、俗に魂があるなどと表現されるタイプのもので、それは例えば嘘だとわかっていても魅了されてしまう力があります。
 YouTubeのような媒体は、感情的な人ほど入り込みやすくさまざまな反応を返すことが多いようです。この反応を用いた営業手法の中に、皆さんもよく耳にされるだろう「炎上商法」があります。感情的な生き物である人間の、よい面も悪い面も上手く利用し運営されているのです。

私たち人を動かす立場にあるものは、経営者であろうがコンサルタントであろうが常に「説明と合意」が求められます。このプロセスを「面倒だ」と省いてしまい、十分な説明を怠って自己満足に終わったならば、人は去っていき売り上げも上がることはありません。売り上げとは、人が生み出すのです。何事も人の手を通して行われるのです。組織とは人であり、そこには「説明と合意」が欠かせません。

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