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【マッチレビュー】日本vsバーレーン

〈システム〉
 日本のフォーメーションは4-1-2-3。ゴールキーパーは鈴木、DFラインは右から毎熊・板倉・冨安・中山の4枚。アンカーに遠藤、インサイドハーフに旗手と久保。右のウイングに堂安、左には中村が入り上田がセンターフォワードの布陣で臨んだ。対するバーレーンは4-1-4-1のシステムでスタートした。

〈前半の展望〉
 バーレーンのフォーメーションが4-1-4-1のため日本は中盤の久保と旗手がともに相手のアンカーの両脇のスペースにポジションを取り、サイドバックも積極的に攻撃に関わってパスを引き出し攻撃を牽引していった。相手のアンカーが久保か旗手のどちらかにマークを寄せているときにはライン間でスペースが空くので上田がそこでボールを受け起点ともなれ、それだけでなく上田はDFラインの背後に抜けるアクションも多く上手く相手の守備を引っかき回していた。
 インサイドハーフの久保と旗手がフリーとなれる場所に位置取りし、サイドの選手との連携でチャンスメイクに繋げるというのが、この試合での日本の基本的な戦い方となりインサイドハーフの2人がキーマンとなって攻撃の中核を担った。右サイドよりかは左サイドでの作りが多くサイドバック、ウイング、インサイドハーフの3人の連携でボールを回す形を生み出していたが、そこから手詰まりになることも多く決定機にまで持ち込む回数は少なかった。ウイングの中村にボールが入ったときバーレーンは中村の得意とするカットインを完全に封じにかかり中を固められて打開するまでには至らなかった。
 相手のアンカー脇のスペースを突き優位にボールを保持する時間が多い中でもあまりチャンスを作り出せなかった日本であるが31分、中村がワイドに開いて冨安からボールを受ける。このとき中山と旗手は既に中村よりも前の位置を取っていたことで中央が空き中村はまず遠藤にボールを預け、そして遠藤は中央の空いたスペースに入ってきていた毎熊にパスを送る。スペースでフリーで受けた毎熊はワントラップから強烈なミドルシュートを放ち、これはポストに当たって跳ね返ったが、そのこぼれ球を堂安が詰めてゴールに流しこみ日本が先制点を挙げた。これまでも主に左サイドを攻撃の狙い目としていたが、見事にゴールに結びついた。
 守備においてはディフェンスリーダーである冨安を中心に前からチェイシングをかけ相手を囲い込む形を作り簡単にはボールを回させなかった。ロングボールに対しては主にセンターバックの板倉と冨安が落ち着いた処理を見せ、ただ単に弾き返すのではなく味方に繋いでしっかりとマイボールに収め、DFラインはそれぞれのマークをはっきりさせ、チャレンジ&カバーで敵からボールを奪いきることが出来ており守備の関係性は非常に良かった。このまま失点を許さず1点リードで前半を終える。

〈後半の展望〉
 後半開始早々に日本は追加点を挙げる。高い位置でボールを奪い取った久保がそのままドリブルでボールを運びエリア内へのパスは合わなかったが、相手のミスによってボールが久保のところに転がり、これを久保が決めてややラッキーな形で日本はリードを2点に広げた。
 後半の早い時間帯で追加点を奪いその優位性も活かして試合を展開して行きたい日本であったが、後半に入ってバーレーンもアンカー脇のスペースをしっかりと閉めてくるようになり修正を施してきた。また、バーレーンも攻勢を強め日本は冷静に構えて対処していきたかったところであるが、守備の場面で幾つか危ういミスが出て相手にコーナーを与えてしまう。そのコーナーキックからのヘディングシュートは鈴木が上に弾いて防いだが、その後の処理に関して上田とのコミュニケーションミスで護りきることができずオウンゴールという形で64分にバーレーンに1点を返されてしまう。
 嫌な流れを断ち切るために日本は三笘を投入し流れを変えようと試みる。しかし、バーレーンもフォーメーションを4-1-4-1から4-2-3-1に変更しマークを上手く捕まえられるようになっており中々攻めのリズムを作り出せない状況が続く。
 それでも72分、毎熊からのパスを受けた上田が少し囲まれた状況の中から上手く相手を躱してエリア内に侵入し自らゴールを決めて日本は3点目を挙げ、再びリードを2点差とした。
 今度こそ失点を許したくない日本は堂安に代わって町田を投入し3バックに変更。守備の枚数を増やしてバーレーンの攻撃を封じ簡単に前を向かせることもなかった。守備寄りの陣形にシフトして以降も日本は攻めの姿勢を見せ、投入直後はキレが落ちていた三笘も徐々に調子を上げ終盤には圧巻のドリブル突破から決定機を演出した。試合はこのまま終了し3-1で日本が勝利し次のラウンドへ駒を進めた。

〈まとめ〉
 前半は久保と旗手のポジショニングの良さでアンカーの脇のスペースを取り、サイドバックやウイングとの関係で攻撃を引っ張り、それが得点にも繋がった。後半になってバーレーンも守備を修正してきたことで前半の攻撃パターンが有効的に使えなかったが、そうなったときにどう対処していけるかが今後の鍵となる。一人で局面を変えられる三笘の存在はやはり期待されるが、今大会でどこまでコンディションを取り戻せるか。チーム一丸となって次の試合も勝利して欲しい。

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