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【座右の銘1】天工人其代之「書経」は、最高の座右の銘!

2023年3月8日から21日に開催された「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC(WBC)」で、侍ジャパンを率いた栗山英樹氏の著書『栗山ノート2~世界一への軌跡~』(光文社、2023年)には、孔子の論語や易経、渋沢栄一の『論語と算盤』、さらには吉田松陰などの幅広い古典の知恵が散りばめられています。
これらの古典は、私も読んでいますが、現代においても全く色褪せることなく、私たちの指針となるものばかりです。
今回は、私のお気に入りの故事成語を紹介したいと思います。

1 お気に入りの故事成語
 天工人其代之(てんこうはひとそれこれにかわる)
 『書経』
〈お気に入り度・・・★★★★★〉

2 座右の銘としての「天工人其代之」
   この言葉は、私の座右の銘とし、自分のLINEのステータスメッセージにしています。東洋思想研究家の田口佳史氏によれば、この言葉は、

「本来、政治は天が行うべきことなのですが、人間が天の代理として政治を司るポジションについているのです」

※『書経講義録』田口佳史著(致知出版社、令和3年)、141ページ

という意味であるとしています。つまり、

「あなたは今日から天に代わって治めていくということを忘れてはいけませんよ」

※『書経講義録』田口佳史著(致知出版社、令和3年)142ページ

という戒めの言葉だと言われます。

3 エピソード
 この言葉は、何も政治を司る人に限ったものでは有りません。家庭、職場、そして地域社会といった様々な場で、私たちには天から与えられた役割があると思います。天が自然界を造る役割を持つように、人間もそれぞれの立場で社会を築き上げる役割を持っているのです。

 では、具体的にどのように行動すればよいのでしょう。私は、まず、「天に代わって、自分が眼前にあらわれたものをしっかり行う」と強く自覚し、実践しています。そうすると、不思議なことに、困難な課題に遭遇しても、思いも寄らない方向から解決策が見つかることが多々ありました。

 その考えの一例として、私の尊敬する哲学者、安岡正篤(まさひろ)先生は、天命と運命について、次のように言われます。

「この命とは先天的に付与されておる性質能力だから天命といい、またそれは後天的修養によっていかようにも変化せしめられるものという意味において運命ともいう」

『人生に生かす易経』竹村亞希子著(致知出版社、2007年)102


 つまり、天命は動きのとれないものではなく、修養次第、徳の治め方いかんで良くも悪くもなるということです。
 私は、常に修養し、天から次々と与えられる出来事に対し、自分のすべてを出し尽くして社会や他者への貢献することで、徳が積み上がり、天からの恩恵を受け、道が開かれていくということを確信しています。
皆さんもぜひ、この言葉を座右の銘にしていみてはいかがですか。

4 出典
 儒家の思想の典籍といえば「四書五経」があります。その中の一つである『書経』は、中国の古代文化や政治思想に大きな影響を与えた文献であり、特に中国古典の中でも重要視されています。『書経』は、古代の帝王の言葉を記録したもので、人間を中心に政治や経営のあり方を説いています。これはビジネスリーダーにとって必読の書です。

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