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もう期待しない!

期待しないことは美徳とされる。
期待しないことで生きやすくなるというのがその理由だ。期待しないように意識するなんて難しい。息を深く吸いたい私は、最近ずっと「期待しない」の言い換えを考えている。
やっと分かった。ふっと降りて来た。
あなたとの未来を想像しないことだ。

少し前まではひとりで生きていると思い込もうとしていた。自分一人で生活が完結していて、ちょこっと恋人が関与してくる、と。
いかんせんずっと一緒にいるものだからこの作戦は失敗した。

期待したくない理由について触れておこうと思う。私の悩みはほぼほぼ恋人によって構成されているから。
恋人と暮らしているのだけれど、私が家事をしていると「やってあげている」と思ってしまう。この「〇〇してあげる」という感覚が厄介なのだ。勿論100%の善意が無いことは分かっているつもりだけど、自分が相手に何かする度に、その見返りを常に考えることとなる。
例えば、恋人が私の怠惰故にご飯作り担当になる。まず私は彼に対してとても申し訳ないと思う。そしてこう思う。
この人はそれできっと不機嫌になる。
不機嫌の要因を自分が作っているかもしれないという状況が苦しいのだ。
裏を返せばあなたのせいで私は不機嫌になり得るということ。

こんなの絶対健全じゃない!

そうして私は次の「期待しない」の言い換えを考えてみた。
あなたとの未来を考えないようにする。
すると何かを無理にしようとしなくなる。
だって将来一緒じゃないんだし。

これが意外と良い物で、言い方が気に食わない時にも有効的だったりする。
(一応説明をする。何故気に食わないかというと被害者ぶりたいからだ。「こういう言われ方をして傷ついた」という女性の常套文句である。おそらく本当は言い方では無く、蔑ろにされた感覚を訴えたい。)
言い方が気に食わなくてもまあこの人と子育てするわけじゃないしな、と溜飲を下げる。

将来一緒に居続けるわけではないし、エイヤッと今すぐ別れることも出来る。
やる、やらないの話ではなく、私が常にその可能性を内包しているという認識が肝心なのだ。

私は怒る すぐに
忘れちゃいけない
すぐにすぐにすぐに
怒る 愛していたいと

カネコアヤノ/明け方

この「すぐに怒る」はあなたとの未来を望むから怒るのだ。どうでも良かったら怒らない。あなたと長く一緒に居たいから感情をぶつけてしまうのだ。こんなに真っ直ぐな愛がある。

私が忘れかけている愛でもある。

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