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アタシのチワワちゃん


私より少し下に見てるからこそ仲良くしていた友達がいる。
その友達がカラオケで歌っていた『僕らの時代』から『チワワちゃん』を知る。


チワワちゃんはいつかの私であって
前までのあの子であって、
もしかしたらバブルを生きた母親だったかもしれない。
チワワちゃんは誰でもなり得たし、それでも誰もならなかった。そうやって私たちは今ここにいる。

チワワちゃんは欲しがりだった。
カイメンに水やるみたいにいつだって楽しかったしいつだって寂しかった。

どうして普通の家庭に育てば普通のいい子になるなんて思われるんだろう。

結論のない話
結論のない映画
ハッピーエンドは続くしバットエンドも続く。
私たちは時間に縛られて、ひとの人生を主観的に見る。できるのはそれだけ。
ヨシダくんが就職に成功するかなんて誰も興味はない。スポットライトは彼のためにあるわけではないから。

可愛いことを知っている女の子の話。
可愛いだけが取り柄だと悟っている話。
自分の武器がたったひとつだと知った時、
ひとはどれだけ強くなれるんだろう。





私は「全能感」を知っている。
それ故にもう、味わえない。

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