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【旅するSELF】#002 秋田五城目

(文:ふるかわりさ)

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今年3月に行われた、Community Based Companies Forum〜希望の兆しかもしれない。見本市 でご一緒させていただいた、ハバタク株式会社 代表取締役/シェアビレッジ株式会社 代表取締役の”うっしー”こと丑田 俊輔さんに会いに、秋田五城目(ごじょうめ)まで行ってきました。

久しぶりの飛行機、人生初の秋田です。Community Based Companies Forum(以下CBCフォーラム)のセッションで うっしーの地域に根差した活動についてのお話は伺っていたものの、zoom越しでは伝わらない現地の空気感をこれでもか!と味わえる旅になりましたので少しだけお裾分けします。

BABAME BASE

最初に伺ったのがBABAME BASE(ばばめベース)。
※馬場目は地名です。

BABAME BASEの正式名称は「五城目町地域活性化支援センター」。秋田県五城目町の廃校を活用したシェアオフィス。内装は木がふんだんに使われていて、窓の外には秋田の自然が広がっているなかなかに最高な環境です。

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BABAME BASEの1階、日当たりの良い場所にあるのがPocoPoco Kitchen。

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PocoPoco Kitchenでは、料理もコーヒーも日本円でなくポコポコという通貨で支払います。日本円で支払うこともできますが、ポコポコで支払うよりもちょっと割高になる仕組み。

肝心のポコポコ。畑仕事を手伝ったり、食材ハンティングしてきたりと、コミュニティ活動に何かしらの形で主体的に参加するとその対価としてもらえるとのこと。

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鮭を手に、突現れたある日のうっしー。

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小さな男の子が、ポコポコでガトーショコラを注文していました。

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この日のランチは唐揚げ! 唐揚げは塩酒粕という調味料を、あーしてこうして(忘れましたw)付け込んであるらしく、旨みがギュッと詰まっていました。副菜もお味噌汁も、もちろんご飯も最高です。

面白かったのが、Poco Poco kitchenのお客さんたちの層。小さなお子さん連れの女性が数組、一人でいらっしゃってる方も何人か、そして割と高齢の方たちのグループと、幅広いのです。そしてなぜかみなさんポコポコを持ってらっしゃるのです。どこで手に入れたのか、気になります

ちなみに、私は午前に(たぶんうっシーが鮭と引き換えに手に入れた)ポコポコでコーヒーを。そしてお昼に自分の財布にあった日本円でランチをいただいたのですが、ポコポコで支払った時は明らかに心の温かさが違いました

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うっしーが何かしらの活動で価値を生んで手にしたポコポコと引き換え出てきたコーヒーを、何もしていない私がただいただく後ろめたさというか、それをいただけるありがたさというか、、、、。
貨幣経済成立以前、顔の見える範囲で経済が回っていた頃は、今よりももっといろんなことを「有難い」と感じることができたのかもなと思いながら、おいしいコーヒーをいただきました。

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BABAME BASEから裏道を通って散歩していたら見つけたという築130年以上の茅葺き古民家。

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その昔、このご近所のじぃちゃん、ばぁちゃんたちが若かりし頃はみんなここで結婚式を挙げたという、この地域の歴史も思い出もたくさん詰まったこのおうち。ご高齢の家主さんが隣町から足繁く通い、きれいなまま維持管理してきたけど、いつまでも続けていくには体力的にも経済的にもなかなかな負担だったらしく、解体を検討していた頃にうっしーと出会ったという。運命としか言いようのないステキな偶然。

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この日は、秋田初心者の私のためにうっしーのお友達のみなさんが「だまこ鍋」という料理を振る舞ってくださいました。

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炊き立てのごはん(餅米じゃなくてうるち米)を、すり鉢ですこし粒が残るくらいに潰します。

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塩水で濡らした手でこのように棒状に丸めて、、、、

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ちぎる。

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それを、しっかり力を加えながらきれいな球状に丸めていきます。これを鍋の具として食べるのです!

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スープは鶏ガラで丁寧にダシをとった醤油味。最高です。飲み干したいくらいおいしかった。

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そしてこちらも、私にとっては人生初のきりたんぽ
だまこはご飯を丸めて作りますが、きりたんぽはそれを丸めずに棒に巻き付け焼くのだそう。どちらも美味しかったけど、だまこは特別な道具のない鹿児島の私たちの家でも再現できるので覚えておくといいですね。

先日、(本当は炊き立てのごはんがいいのでしょうが)炊飯器に少し余っていたご飯をだまこにしていただきました。おいしかった。

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こちらはPocoPoco Kitchenのシェフまるさんが持ってきてくださった、(うっしーが釣ったサバの)しめ鯖。最高においしかった。このほかにもワカサギの佃煮やいぶりがっこなどなど、みなさんが持ち寄ってくださった手料理で、まるで実家に帰ってきたかのような心地よい晩ご飯となりました。

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個人的に感動したのがセリ。写真ではあまり写っていないのですが「根っこがうまい」のです。うそだ〜wと恐る恐る一口目を食べてみましたが、お世辞抜きで「根っこがうまかった」です。秋田は何を食べてもうまい。

五城目町立五城目小学校

五城目町の中心部と郊外のちょうど中間くらいに、今年開校した五城目町立五城目小学校。

なんと、この学校。うっしーをはじめとする住民の皆さんが対話を重ねて作り上げた、その名も「超える学校」。

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例えば職員室がフリーアドレスだったり、体育館が地元住民もひろく使える仕組みになっていたりとステキな仕組みはたくさんあったのですが、その中でも特徴的だったのがこの「地域図書室」。

学校に入り(そういえば「学校」と「学校外」の境界線がとても曖昧だったのを今思い出しました)、職員室を大きな窓越しに眺めながら進んでいくと最初にある建物の1階。

そこが地域図書館として誰でも無料で使えるようになっているのです。もちろんwifiも完備。図書館は2階建てで、2階は児童専用。1階は地域の人も、児童も使えるようになっているとのこと。

地域の人たちが特別な用事や許可がなくても学校に出入りすることができる。こんなことができるのも、地域住民がお互いの顔と名前が大体わかるサイズ感のまちだからこそ

五城目小学校設立時の取り組みに関しては こちら に詳しく載っていました。興味がある方はぜひお読みください。

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近い将来、都市部の学校と『教育留学』ができるようになるらしく、ますます今後の広がりが楽しみです。あぁ、はやく私たちも鹿児島におもしろい学校を作りたい、作りたい、作りたい。

ただのあそび場

最後におじゃましたのが「ただのあそび場」。

五城目は毎月2・5・7・0のつく日に朝市が開かれます。なんと500年以上もそれが続いているというのです。すごいすごいすごい。今回の滞在ではタイミングが悪く、朝市に行くことはできなかったのですが、まちの皆さん曰く天然の舞茸をはじめとする、いろんな種類のきのこや旬の野菜などがずらりと並ぶらしく。それがとてつもなくおいしいとのこと。(涙)

次回は絶対に朝市に合わせて遊びに行こうと思います。目指すはきのこと根付きのせりです。

そんな朝市の開かれる通りにあった有給不動産をDIYで遊び場にしてしまったのが、この「ただのあそび場

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まちの中に、誰でも自由にあつまれるこんな場所があるだけでいろんな化学反応が連鎖的に起こってくのだと思います。

とにかく最高だった

とにかく最高だった五城目の旅。椅子の工場や、日本酒の蔵、本も買えるギャラリー、これからうっしーたちが仲間たちと家を建てようとしている土地などなど。今回記事にしなかったいろんな人たちとの出会いがたくさんありました。

うっしーと一緒に まちを移動すると「まちの人、全員友達ですか?」と聞きたくなるくらい、すれ違う人すれ違う人と2−3往復の会話が交わされる。「どこ行ってきた?」とか「寒いね」とか。何でもない会話を毎日積み重ねてきたからこそ生まれるつながりが、このまちを豊にしてるのかもなぁと思いました。ちなみに、うっしーは会津若松市生まれ東京都育ち。てっきり生まれも育ちも五城目かと思ってしまうほどこのまちにしっかりとしなやかに根を張っていらっしゃいました。

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最後の日の夕方に見た夕日。最高の秋田旅行でした。
うっしー、お世話になりました!また遊びにいかせてください。

うっしーのnoteがおもしろいです。




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