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【かごしま地域企業名鑑】#004 小平株式会社

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(インタビュー・文 勝 眞一郎)

※本記事は期間限定で無料公開されます。


SELFの理事でもある小平勘太(こびら・かんた)さん。小平さんは2020年11月に日置市湯之元に民営公園「ハマオカポケットパーク」を建設し、2021年7月にはステキなカフェスペースを敷地内にオープンしました。総合商社の社長さんであると同時に民営公園の運営者、そして私たちのNPOの事務局長として爆速で仕事をこなす小平さんの経営する会社ってどんな会社だろうとインタビューを行ないました。

「ちょうど勝さんに紹介しようと思ってたんですよ。」と小平さんがインタビュー相手として御紹介いただいたのが入社3年目の香川衿菜(かがわ・えりな)さん。当日は、感染症対策としてオンラインにてお話をお聞きしました。

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鹿児島から飛び出して海外での経験を積んだ20代

ー香川さんは、鹿児島ご出身ですよね?
「はい。鹿児島生まれ、鹿児島育ちです。早い頃から海外に興味があったので、高校時代はニュージーランドに10カ月留学しました。卒業後はアメリカの大学を受ける予定だったのですが、予定を変更して外国語の専門学校に入りオーストラリアに留学しました。」

ーいきなり突っ込んだ質問になりますが、アメリカの大学受験は、どうしてあきらめたのですか?
「科目は結構いけたと思ったのですが、エッセイを書く設問があって内容が『あなたは、入学したら私たちの大学にどう貢献したいですか?』というもので、面食らいました。学びを提供してくれるのが大学で、そこに入るということだけを考えていたので『うーん』ってなりました。今では、納得性のある設問だと思ってます。」

ーその後、小平株式会社に入社したのでしょうか?
「いえ。その前にフロリダにウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートというディズニーパークとディズニーウォーターパークを中心とした世界最大のディズニーリゾートがあって、そこで約1年間働きました。」

ーおおーっ。スゴイですね!その時の何か面白い話はありますか?
「たくさんあるのですが、2つだけお話しすると、エプコット・センターという施設にいたのですけど、外国人の方は鰻のかば焼きのタレが大好きで、普通のお寿司にもあのタレをかけて食べる方が結構いるのです。Eel Sauce(イール=鰻 ソース)下さいとよく言われました。(笑)」「もう一つは8人一部屋の寮で生活するのですが、色んな国の方がいて文化の違いが勉強になりました。」

小平株式会社との出会い

2018年に小平株式会社に入社した香川さん。どのようにして入社に至ったのだろうか?

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ー就職活動で何社か周って今の会社に決めたのですか?
「フロリダから帰ってきて、次は海外関係の仕事をしようと思っていました。鹿児島にはそういう会社は無いのだろうなと思っていましたので、鹿児島を出て東京とか海外で働くことになるのだろうなと自分でも想像していました。」
「ところが、ある日知人がFacebookで『グローバルな鹿児島でローカルな生活をしてみませんか?』という求人のメッセージを小平社長が書いていたのをシェアしていて、それが目にとまりました。『これは、面白いかも?』と思い、メッセンジャーで連絡をして、そこから面接、入社と進みました。」

今のお仕事について教えてください

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ー今、担当されている仕事について教えてください。
「今は、国際貿易部で輸出入の仕事をしています。メインは水産加工品の輸入です。水産加工品というとイメージしにくいかも知れませんが、魚のすり身や魚介類の冷凍品などです。その他に輸出では海外のマーケットに対して日本の質の高いスイーツや食品を取り扱っています。例えば、甑島のキダチアロエを使った『ヒラミネの木立甘酢』のシンガポールへの輸出もお手伝いしたんですよ。」

ー海外での日本の食材の反応はいかがですか?
「コロナの影響もあって巣ごもり需要が旺盛なのは確かです。多少高くても質の良い日本のスイーツや食品をご自宅で食べたいという方は多いようです。但し、食文化も異なるので、しっかりと食品ができるストーリーや食べ方の例を伝える私たちの役割も重要かなと思っています。」

ー今は難しいですが、仕事柄、海外出張も多いのでは?
「この1年くらいはやはり海外に行くことが難しいのですが、入社1カ月目でインドに行ったり、2年間で10カ国くらい出張で行きました。」
「出張先で心がけているのは、地元のものを食べること。まだ日本で紹介されていない美味しい食材が現地にはあるかもしれないし、まだ現地に紹介されていないけど人気の出そうな日本の食材があるかもしれない。一つの国の中でも色んな層があるので、それごとに探るのが楽しみです。日本の映画館でポップコーンの代わりにコオロギのフライが出てきても普通にいいなーと思いますよ。(笑)」

小平社長の仕事の仕方ってどんな感じですか?

そうそう、この企画は社員を通してみる地域に根差した会社を知るというものでした。会社についても聞いてみましょう。

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ー小平株式会社で働いてみて、ここは特徴だなという点ががあれば教えてください。
「意思決定がとても速いです。エビデンスを揃えておくことが前提ですが、意見を出すと通りやすい。上司から社長に上がり、『そうか。じゃあ、やってみようか。』となります。」

ー小平社長も仕事がメチャメチャ速いですよね?
「そうなんです。ビックリするスピードです。色々なお仕事があるはずなのですが、振り向いた間に返ってきている!」
ーそういうのって部下的には困りませんか?
「負けないように社長がやる前にやんなきゃと思うのですが、なかなか勝てません。(笑)」

香川さんがこれからやりたいこと

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ー楽しくエキサイティングに仕事をしている様子が分かりました。そこで、これから香川さんがやってみたいなということはありますか?
「水産物とか農業資材とか関わっているので、やはりサステイナブルな地球環境の保全は気になります。現時点でも気候変動の影響で魚の獲れる場所がどんどん変わってきています。これまで獲れていたところで獲れなくなったり量が減ったりしています。
また、気候変動の影響で異常気象が日常化しているために物流の混乱にも繋がっています。」
「もう一つ、フードロスも気になっています。国内でも海外でも食品を扱っている仕事をしていると目の前で捨てられていく食材が余りに多く心が傷みます。何か具体的なアクションを起さねばと考えています。是非、SELFの皆さんたちとも繋がって具体的にフードロス削減に関わっていければと思っています。」

ー本日は、どうもありがとうざいました!

小平株式会社とは

今年で創業108年を迎える老舗企業です。エネルギー、IT、国際貿易、農業という幅広い分野で活躍する総合商社。本社は鹿児島市にあり、アメリカ、中国、ベトナムに支社を持つ。
ミッション・ステートメントは、「地域に根ざし、世界で勝負する」。香川さんのように世界で活躍するメンバーが活躍する元気な会社。今後の成長がますます楽しみだ。
http://www.kobira.co.jp/

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