自然検索の超えられない壁に影響を受けず「価値を積み上げる」
先日、琵琶湖でのBBQに招待されたので楽しんできました。
同業者の集まりで楽しみつつ、2022年5月26日のコアアルゴリズムアップデート直後でもあったのでSEOの話題にもなりました。
そこでYahoo!モバイルでの検索結果、なかなか大変な事になっている、と聞いたのでどんな感じなのか見てみました。
Yahoo!は自社のサービスを検索結果に表示する、という事をしています。
広告枠が最上部に表示されていますが、その下に自社サービス、その下に自然検索、たまに知恵袋やニュースを挟む、みたいな表示をしています。
いくつか独自サービスを差し込んでいる検索結果を見つけてキャプチャをとってみました。
いくつか検索結果のキャプチャをアップしていきますね。
他にもありますが記事が縦長になってしまうので、2つだけにしておきます。
Yahoo!は独自のサービスを検索結果に差し込んでいるので自然検索1位は、実質1位じゃないような状況です。
こういった状況の整理と、SEOにおける価値の積み上げについて解説します。
気になった検索結果のキャプチャ8つを以下のzipファイルに格納しました。
興味のある方はダウンロードしてみてください。
順位は上がったけれどもCVが増えない。数年前ほど売上が伸びない。
順位自体はそこそこで、1ページ目の真ん中くらい(5位前後)にはいるけれども、CV数が増えない、というお話を聞くことが増えてきました。
自分自身も実感としては感じています。
冒頭のYahoo!のモバイルでの検索結果については、どこまで影響があるかは分かりません。
ただ、広告枠でも十分に問題解決できているのであれば、更に下にスクロールして検索結果をチェックする必要はないのかな、とも思います。
お気に入りのサービスが見つかれば指名検索に流れると思いますし、比較検討フェーズであっても、比較検討するために使い勝手の良いサービスがあれば、やはりそちらも指名検索で利用します。
もちろん、問題が解決せずに更に深掘りした検索をしている可能性は十分にあります。
でも、ネット上に情報が集め、検索の精度、検索結果のUI/UXの改善が進んでいる中で、使われる情報が固定化されていくのは自然なことだと感じますし、検索エンジン側もユーザーの問題解決のためにサービスの向上を目指しています。
検索エンジンもシェアの奪い合いがあるので、いつまでも昔のように10個のリンクが検索結果に並んでいる状態ではいられないのです。
それでも自然検索からのCVは発生している
最初にめちゃめちゃ暗いお話をしましたが、それでも自然検索からCVが発生していることは間違いありません。
自然検索からのトラフィックがある程度あるのにCVがずっとゼロ、というサービスは少ないんじゃないかな、と思います。
広告や独自のサービスの差し込みが発生したところで、それでも問題解決しない方はいるのです。
そういった方々が、なぜ自分たちのサービスを選んだのか?というのは深く知る必要があります。
検索が起点で何らかのサービス利用をした=顧客となってくれた方を数字で捉えているだけなのは、もったいないです。
前回の記事と重複しますが、検索キーワードは仮説の種になることがあります。
検索数が少ないキーワードであったとしても、CVが発生しているのであれば分析しておこう
「やり方」「知りたい事」についての解決策の提示が強みの自然検索は、CVが積み上がりにくくなっているはずです。
冒頭のUI/UXの変化も影響していますしね。
にも関わらず一定のCVが出ているという事は、そのキーワードやページ内の情報には”売れる要素”が含まれている可能性が高いです。
ニッチなキーワードからのCVを倍にすべきか否か?をジャッジする
Search Consoleで表示された月間表示回数20回
そのキーワードで表示されたURLの月間CV数2
であれば、CVR:10%です。
このCVRが20%になればCV数は月間4件となります。
いくつかCVが発生している理由はありますが、経験上、このパターンでCVする理由はページ内に書かれていた何らかの情報が顧客の"一部の"需要とマッチしたからである可能性が高い、です。
”一部の”というのが重要です。
完璧にマッチはしていないけれども、他に似たようなサービスはないし消去法でここに申し込んでみるか。
これが「ニッチな検索キーワード・CVR10%くらいのページ」でCVしている顧客の心情です。
注意点としては、いくらニッチなキーワードとは言え、CVR100%には絶対になりません。
「競合が~」とかそういう事ではなく、顧客心理の中に「申込み面倒そうだしやめておこう」「やっぱりお金もったいない気がする」みたいな、取り払うことが難しい理由があります。
CVR100%を目標にしたり目指さないようにしておきましょう。
50%いったら凄いことです。
このニッチなニーズ、深掘りしてCVRの向上を狙うべきか?
色々な判断基準はあると思いますが、個人的にオススメしているのは改善後の収益と改善コストのバランスから判断する方法です。
僕が良く使うのは
改善コスト<平均顧客単価×改善後予測される月間CV数×3
となっているかどうか?です。
変数はビジネスや事業によって変わりますが、最後に定数3を設定しています。
これも事業やビジネスによって良さげなものにして問題ありません。
利益率が高いビジネスであれば、1ヶ月で回収できるルールにしても良いですしね。
色々と試した結果3を定数とする事が多かったので例で出しただけです。
そんなに深い理由はありませんw
理由を後付けすると、12ヶ月を四季の4つに分けて、1シーズンで回収できるくらいにしておくのがバランスが良くなることが多かった。
1ヶ月で回収するように計算すると、ほとんどのニッチなニーズを諦めることになってしまった。
でした。
事業収益以外の資産が積み上がるかもチェックする
数値の上で判断することは大切です。
ですがそれ以上に、改善の結果、サービス利用者の満足度が上がり、顧客満足度が顧客利用意向や他者への推薦度が改善する可能性もあります。
他社が全くニーズに気付いておらず、小さいけれども長期間独占し続けられたりしやすいです。
ツールで拾えないようなキーワードから収益が発生したりしていますからね。
運用コストをかけずに、顧客が微増し顧客満足度にプラスの影響があるのであれば、やった方が良いです。
こういうニッチなニーズを多く拾って、顧客満足度へプラスの影響が与えられる、というのはSEOの強みかも知れません。
顧客利用意向や他者への推薦度の向上は、指名検索数と相関する事が多いので、この点でエビデンスや仮説が立っている状態であれば、コスト以外の点から判断しても良いかなと思います。
【ちょっと余談】
SNSでは顕著だと思いますが、広告を使ったフォロワーやリーチ数を増やす方法、ある程度のところまで行ったら上げ止まりしませんか?
「ある程度まで成長したなら、あとはオーガニックで頑張れよ」と言われているような気がしていますw
広告でドライブしたあとに、またオーガニックで成長しなければいけないフェーズは来るのかも知れません(運用スキルの問題である可能性もありますが。。)
指名検索が最も安定した収益キーワード
僕がSEOやマーケティングを行う上で重要視することの1つが指名検索に影響するかどうか?です。
顧客アンケートの結果やニッチなニーズへの対応も指名検索数への影響を計測し、当て勘を養うために使ったりしています。
顧客への満足度アンケートやヒアリングを行っている事業者は多いと思いますが、それらがデジタルで見える数値の何かと相関している、と感じたことはありませんか?
指名検索が何と相関しているのか?が見つかったら、その施策の繰り返しや仕組み化で検索からの流入と収益は安定し向上していくかもしれません。
デジタルはデータを集めやすくしてくれたけれども、そのつながりまでは教えてくれない
施策をやる・やらないも含めて、全ては事業収益が向上するか?と積み上がるかどうか?だけで判断して良いです。
9年以上SEOをしていると地獄も見ますし、積み上げたと思っていたものが無慈悲に崩壊する様を見せつけられるような経験もします。
その中でも崩壊しないものはありましたし、事業収益にずっと寄与し続けてくれたものもありました。
限られたリソースを投下するなら、積み上がる可能性が高いものにだけ集中すべきですし、その選択の集中は事業の成長を加速させる、と確信しています。
デジタルは多くのデータの取得を容易にしましたが、1つ1つのデータのつながりまでは教えてくれません。
それは自分で見つけなければいけません。
それが難しくもあり、面白くもあるのですけれどもね。
さて、今日もまた価値の積み上げに邁進しますか。
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