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楽天市場でSEOを行うための基本的な考え方と特徴

楽天やAmazonなどモールに出店している場合、モールでの検索順位は商品購入に直接的な影響があるので非常に大切です。

モールでの検索結果はデジタルシェルフと呼ばれたりしていて、デジタル上に存在するお店の陳列棚のように扱われています。
このデジタルシェルフでゴールデンライン(ゴールデンゾーン)を取れた商品は販売する上で非常に重要です。

今回はその中でも楽天でのSEOについて解説します。
Amazonと楽天はSEOをする際に似ている点はありますが、出品形態が異なっているため異なる考え方をする必要があります。

今回の記事では

・楽天やAmazonでの検索理由
・キーワードニーズを知る重要性
・楽天での検索順位決定要因
・売れる商品が上位表示しやすい
・キーワード設定
・楽天SEOの特徴

について解説します。

キーワードの探り方や商品ページでの工夫の余地などの基本的な点について解説しますので、楽天への出店をしている方の参考になれば幸いです。

楽天やAmazonでの検索は商品購入のために検索していることが基本

Googleとの大きな違いは基本的に商品の購入を行うために検索している、という点です。

楽天で「ベビーカー」と検索するとサジェストには以下のようなキーワードが出てきます。

楽天「ベビーカー」サジェスト

Googleで検索するとサジェストは以下のようになります。

Google「ベビーカー」サジェスト

明らかに傾向が違いますよね?
楽天には「ランキング」や「おすすめ」「いつから」など情報を探す場合に使用するキーワードが表示されません。
そもそも商品ページしか出てこないので、これらのキーワードで検索される可能性も低いです。

楽天内で検索すると、メーカー名やベビーカーのオプションなどのグッズは表示されますが、それ以外だと知名度のある商品名が表示されることが多いです。

楽天で検索して出てきた商品=オススメされた商品と判断されていることも多いです。
楽天は検索結果で商品価格のグラフや対象など、商品ジャンルごとに絞り込みしやすいUIにしているので、モール内で検索して完結する、といった事も多いです。

楽天の検索結果だけを見て検索ニーズを探るには、上位表示されている商品の訴求をチェックする必要があります。
キーワードを見ただけでおおよそのニーズがつかめるほどの商品理解があれば尚良いです。

自分がターゲットではない商品や知識がない商品で楽天のSEOを行うのは大変です。
ある意味、Googleよりも狭く深い知識が必要になります。

「ベビーカー おもちゃ」というキーワードだけを見てニーズを予想してみてください

先ほどの「ベビーカー」のサジェストです。

楽天「ベビーカー」サジェスト

この中に「ベビーカー おもちゃ」というキーワードが表示されています。

※補足
赤い文字でベビーカーの横に「おもちゃ」と記載されているのは商品ジャンルのことです。
「ベビーカー」おもちゃ というのは「おもちゃ」カテゴリの中でベビーカーと検索した際に表示される商品となります。

さて「ベビーカー おもちゃ」の検索ニーズをキーワードだけで想像できたでしょうか?
これは今現在、ベビーカーが必要な親御さんであれば想像ついたかな、と思います。
答えが表示されるまでちょっとだけスペースを空けておきます。

3・・・


2・・・


1・・・


答えは「ベビーカーに乗った子どもが遊べるオモチャを探している」際に検索されるキーワードです。

来月2歳になる息子がいる私は、この商品の必要性を痛いほど感じています。
オモチャの種類は成長とともに変わりましたが、ベビーカーには息子が遊べる何かがついています。

こういったニーズがキーワードを見た段階で掴めていると調査が楽です。

検索される意味が分かれば、あとは商品ページに何が書かれているか、どういう商品が上位にあるか、を見て各商品ごとの訴求をしっかりと調べていくだけで何となくの傾向は掴めます。

楽天での検索順位の決定要因について

楽天の自然検索順位の決定要因は割とシンプルです。
基本的に売れるものがより上位に出やすくなっています。

なので、特定のキーワードで表示されて、そこから購買につながっていれば上位表示可能です。

ただ、それ以外にも細かな要因がありますし、このキーワードごとの評価のされ方が少し独特なので注意する必要があります。

また楽天はプラットフォームとしての透明性及び公平性の向上のために一部の情報を公開しています。
プラットフォームの透明性及び公平性の向上に関する取り組みについて|楽天市場

このページの「2. 検索順位を決定する基本的な事項について」という点にスコアリングについて言及した部分があります。

例えば、「軽い」という検索キーワードに対して、商品名や商品説明文で複数回商品の軽さについて説明されていた場合、「軽い」というキーワードに対して関連性が高いとみなします。

https://www.rakuten.co.jp/ec/digitalplatform/  より引用

商品名や商品説明文に複数回キーワードが入っていると関連性が高いと見なされ上位表示しやすくなります。
楽天にある多くの商品ページでキーワードが色々と入っているのは、この辺りが理由かな、と思います。

実際やっておいた方が上位表示しやすかったりするので、ここは現状のルールに従っておいた方が良いでしょう。

もう1点希少性という要素もあります。
楽天内にある全商品に対して、そのキーワードが含まれている商品が少ない場合、そのキーワードが含まれる商品は希少性が高いとされるため、スコアが高くなる、という仕組みです。

ニーズはあるけれども、そのキーワードを含む商品が少ない場合は希少性が高いので有利になる、ということです。

一昔前のGoogleのSEOみたいにも見える

キーワードスタッフィングをしてしまうと商品ページが見づらくなるので、やり過ぎるのはオススメしませんが、商品ページの下部に膨大なキーワードが書かれていたりする商品ページも多いです。

見づらい商品ページは売上に影響するので、基本的には普通の商品説明でユーザーに価値を伝えられるのがベストです。
次のトピックで説明しますが、やはり売れている商品が上位表示しやすいです。

【補足】レビューの価値は?

数年前と比較すると商品へのレビューや評価の上位表示への影響は減少している様子です。

理由としては、レビュー投稿を促すキャンペーンを各ショップが行ったことでレビューが多くなり差がつきにくくなったからかな、と予想しています。

あとスパム的なレビューも増えてしまい、楽天にとってもあまり良い結果にならなかったではないかな、と思います。
とは言えレビューによって商品が売れる場合は、間接的に影響します。

とは言え、やっぱり売れている商品が上位表示しやすい

プラットフォームの透明性及び公平性の向上に関する取り組みについて|楽天市場
の②に書かれている人気度、というのが、やはり上位表示には圧倒的に重要であると感じます。

キーワードごとのスコアリング方法を勘違いしないように注意が必要です。

例えば、「マグカップ 軽量」と検索したユーザーが多く支持した商品に対して、「マグカップ 軽量」と検索された場合にスコアは高くなりますが、「マグカップ かわいい」と検索された場合支持されていない際は「マグカップ かわいい」という検索ではスコアを加点しません。

https://www.rakuten.co.jp/ec/digitalplatform/  より引用

マグカップ軽量
マグカップかわいい

どちらかのキーワードで検索されて売れた場合「マグカップ」のスコアは高くなります。

マグカップ軽量
で表示されて売れた場合「軽量」ではスコアリングが高くなりますが、「かわいい」のスコアリングは高くなりません。

2語くらいのワードで上位表示したい場合、このスコアリングの仕組みを勘違いしてしまうとターゲットとなるキーワードで上位表示可能性が遠のいてしまうので注意が必要です。

補足としては、楽天の場合、販売金額ではなく販売件数が重要視されている様子なので、他ショップより安い価格で多数販売できる商品があれば上位表示しやすくなります。

キーワード設定をどう行うか?

楽天でのSEOは比較的シンプルですが、キーワードの設定が非常に重要です。
キーワードの設定を間違えると売上に大きな影響が出てしまいます。

商品名、説明文、商品ページのテキストにはキーワードをしっかり入れることが重要なので、重要なキーワードを把握するようにしましょう。

冒頭で「ベビーカーおもちゃ」の検索ニーズについてのクイズを出しました。
この検索ニーズをゴリゴリ深掘りする、というのがキーワードを設定するために非常に重要です。

ユーザーが「その商品を探していて欲する理由は何だろう?」を把握し、ユーザーニーズをキーワードに変換したものを見つけなければいけません。

「ベビーカーおもちゃ」の検索ニーズは「ベビーカーに乗っている赤ちゃんが遊べるおもちゃを探している」でした。

では、何故ベビーカーに乗った赤ちゃんが遊べるおもちゃが必要なのでしょう?
赤ちゃんがおもちゃが欲しい、と言ったとは考えにくいです。

泣くからでしょうか?
泣かれたら何故こまるのでしょう?
泣かれて困るのはどういう状況でしょう?
ベビーカーに乗って泣くのはいつでしょう?
どういうおもちゃであれば泣かせずに済むのでしょう?

ベビーカーだったら何でも使えるおもちゃでしょうか?
汚れは?
安全性は?
紛失しない?
男の子?女の子?
生後何ヶ月くらい?
どれくらい飽きずに遊ぶ?

などなど、他にもあると思いますが、恐らくこの辺りは気にされている可能性が高いです。
ユーザーが利用するシチュエーションやニーズを想像し、それを先回りしてキーワードとして設定できた商品であれば上位表示確率は高くなります。

商品を売るためにも、楽天内で広告を出すためにもキーワードの設定は重要です。
キーワードの設定をするためにユーザーニーズをしっかりと考えられているかどうか?が楽天での検索露出を成功させられるかどうか?に大きく影響します。

楽天SEOの特徴とユーザーニーズを捉える重要性

楽天のサジェストにはGoogleほど多くのキーワードは表示されません。
サジェストなどツールを活用したSEOはGoogleよりやりにくく感じるかもしれません。

商品知識やユーザーの利用シーンの想像、心理を探る必要があるのでテクニックよりもマーケティングのスキルやナレッジが必要です。

ユーザーのキーワードの数だけデジタルシェルフが存在します。
商品が必要な人に届いて、その人の生活が楽になったら喜んでもらうためにも適切なキーワード設定は本当に大切です。

楽天のデジタルシェルフでゴールデンライン(ゴールデンゾーン)を獲得して大きく売上を伸ばす店舗や商品が1つでも増えてくれたら嬉しく思います!


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