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日本の「カレー」が世界の伝統料理ランキングで1位に……?

日本で食べられている「カレー」というと、いわゆる「カレーライス」のことだと思っています。その「カレー」が「世界の伝統料理ベスト100」で1位を獲得したということでニュースになっていました。

こちらは「Taste Atlas」という料理に関する体験型旅行サイトが発表したランキングということで、ツイッター上では1位から50位までのランキングが画像で上がっています。


ニュースでも取り上げられていましたが、まぁいろいろとツッコミどころがありますね。まず“伝統料理”ではない。確かにカレーやラーメンはもはや国民食と言っていいほどのものになっていますが、伝統的なものかと言われると「ちょっとなぁ」という気がしてしまいますね。

ご存じの通り、元々カレーはインドの料理して生まれたもの。カレー粉で作られたカレールーというものと野菜などを一緒に合わせて食したり、シチューのような感じにして食べるものでした。それが幕末の頃に日本に入ってきてから日本人の好みに合うようにといろいろ試行錯誤をされてきた結果誕生したのが「カレーライス」(当初はライスカレーと言われていた)。

また、このランキングにも出ている「ラーメン」にしてみても中国の麺料理としてあったものが江戸時代に入って伝わり、そこから日本人があれこれ手を加えて誕生したのが、いわゆる今の「ラーメン」です。そのため、本場中国の人に言わせてみても「これは、中国の麺料理とは全く違う」と言われるほど独自のものとなってしまっており、もはや「日本の料理のひとつ」かもしれませんが、その起源は間違いなく中国にあります。

このように本来日本になかったものを日本人の感性に合わせていろいろと改良した結果、独自の進化を遂げるというのはもはや日本のお家芸なのですが、じゃ“伝統料理”なのかと言われるとやっぱり「う~ん……」となってしまいますよね。


興味深いのは1位に「カレー」が入っていながら43位のところを見ると「カレーライス」というのが別枠として入っているのです。たぶんなんですが、日本でカレーを食べている海外の方などは「カレーライス」として食べていると思うんですよね。ですが、日本人も含めて「カレーライス」という言い方はもはやあまりしていません。みんな「カレー、カレー」と言っていますよね。そういったことからこのランキングを作ったときには「カレー」が1位になった、しかし「カレーライス」という料理を挙げる人もおり別枠になってしまった、という感じなのではないですかね。

よくよくランキングを見ると「しょうゆラーメン」と「とんこつラーメン」も別々になっているんですよね。かなり細かく料理が分別されてしまっていますね。この調子では各国の料理もそれぞれの国なりにツッコミどころがありそうです。


日本のカレーは確かに海外の人にも人気です。「Coco壱のカレーが食べられるのがうれしい」ということで日本への赴任が楽しみだという米軍の話まであります。


ランキングで日本のカレーが1位を取ったこと自体は喜ぶべきことかもしれませんが、「伝統料理じゃないよ」ということだけは言っておきたいですね。なんとなくインドの人にも申し訳ないし。

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