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ブックレビュー【ブランディングデザインの教科書|西澤明洋(著)】

こんにちわ。
一時期、海外の高価な筆記用具にハマっていたけれど、結局一番使っているのはジェットストリームの吉田です。

「ブランディング」という言葉が、文字情報だけでなく仕事の会話のなかでもよく聞くようになりましたね。しかし「ブランディングにどんなことをされているのですか?」と掘ってみると、「会社のロゴを新しくする」「サイトをリニューアルする」といった、フワッとした答えが多いです。

僕自身も、「ブランディング」って見せ方を変えて企業のイメージアップくらいにしか意識がなかったので、なんとなくそれでOKみたいなところがありました。

ずっと、このブランディングに対するモヤモヤ感があったのですが、この「ブランディングデザインの教科書」を読んで、ようやくすっきりと疑問が晴れると同時に、奥深く経営の重要な打ち手のひとつであることが呑み込めました。


ブランディングとは


「ブランディングとは差異化」と簡潔に言い切っています。前述した「会社のロゴを新しくする」といったこともブランディングしていく過程のひとつではありますが、ブランドの表現のひとつでしかありません。

「経営戦略をデザインする」という視点は意外と盲点です。

ブランドをデザインすることは、経営の根幹から戦略レベルで差異化を設計すること。これが最も重要であり、この骨格があってこそ「商品やサービス」「ロゴやパッケージ」「広告」へ一貫性が生まれます。


ブランディングデザインの進め方


ブランドをデザイン(設計)していく具体的な実践方法も書かれています。ブランドコンセプトは、新しいものを生み出すのではなく、すでに会社内に持っているものを具現化・言語化していく作業です。

「売る」というバイアスが、ブランディングを阻害するのです。

ブランディングはマーケティングと同列に考えがちですが、「ブランディングは差異化の伝言ゲーム」の視点であるため、マーケティング思考で考えると軸がブレてしまい、力強いブランドを設計できません。

デザインは最強のコミュニケーションツール

ブランドコンセプトを適切に設計したのち、これを具現化するのがデザインです。ロゴ、パッケージ、WEBなど、お客様が一番最初に触れる部分に、デザインを通してブランドの魅力を伝えます。

ブランディングのデザインはファッションではありません。表面的な装飾のデザインではないのです。

ブランディングするためのデザインではなく、ブランドの思考を表現し、伝えることがデザインの使命です。

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まとめ


これまで、「ブランディング」と「デザイン」を少し違うフィールドで考えていた自分を発見しました。本書を読むことで、お店・企業として、お客様に何を伝えたいか、これを明確にしてデザインすることで、ブランドに芯が通り伝播力が強くなる、つまり「ブランディング」が戦略で「デザイン」は戦術のような位置であり、お店や企業の推進力と成長に貢献するエナジーになることが深く理解できました。

経営者はもちろん、マーケターやデザイナー、これから起業を目指している方などに、他社と競合しない経営、他社が入ってこれない領域を作り上げたいと考えるためのヒントが詰まった、おすすめの一冊です。


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