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「重さ」と「暗さ」(相性に関する考察その1)

この仕事をしていると「相性」というものを診断することが多いのですがあくまでも私は生年月日(出生時間がわかると尚良い)をもとにして相性診断をしていますが、その人が恋愛の相性を知りたいのか、結婚の相性を知りたいのかでもまた観点が違ってきます。

恋愛の延長線上に結婚があれば確かに理想でしょうけど、実際にはなかなかそうはいかないので昨今、マッチングアプリなどでの出会いを求める人が多いのだろうと思います。
ただ、だからこそ、会っていきなり恋愛、ましてや結婚に至るというような関係性を築くのは、相性以前の問題だと思うのです。

相性に関しての考察は私のHPの中にある「占星学の玉手箱」なるコーナーに
かなりの数列記してありますが、ここではそれに関しての加筆修正したものに、最近の傾向なども合わせて意見したいと思っています。

占星学では簡単に言うと四区分(四つのエレメントに12星座を分けたものでそれぞれ性質的なものを示します)や三区分(三つのクオリティと言われていて12星座を3つに分けてそれぞれ行動の仕方などを示します)から相性を見ていきますが、中でも四区分のうち
火(牡羊座・獅子座・射手座)と風(双子座・天秤座・水瓶座)はともに男性星座で能動性があり、比較的行動力もあり明るさを持っていますから相性が良いとされていて、火は直観力、風は思考力を表しています。
地(牡牛座・乙女座・山羊座)と水(蟹座・蠍座・魚座)はともに女性星座で受動的で現実的だったりしますからこれもまた相性が良いとされていて、地は感覚、水は感情を表します。

要するに占星学上では、割と似た性質のもの、要するにあまり矛盾のないもの同士が相性が良いとされているわけです。

一方、三区分は
活動宮(牡羊座・蟹座・天秤座・山羊座)は文字通り自発的に動くタイプで、
不動宮(牡牛座・獅子座・蠍座・水瓶座)は文字通り動かず変化を嫌うタイプ
柔軟宮(双子座・乙女座・射手座・魚座)は文字通り柔軟ですが芯がぶれやすいというような特徴があり、それぞれ火・地・風・水の四つのエレメントがすべて一つずつ入っています。
占星学上では、三区分が同じもの同士はぶつかりやすいつまり相性的にはあまりよくないとされていますので、例えば活動宮だと牡羊座と天秤座は火と風、蟹座と山羊座は水と地なので四区分での相性だと良いことになりますが、それぞれ180度の対極星座にあたり、男女だと引き合いやすいけれど、同性だと同族嫌悪になりやすく、結構複雑な相性になっています。
行動は似ていても性格が異なるため、意外とぶつかりやすかったりするのです。

でも、実際に付き合っている人や夫婦の相性を見ると案外こういった、占星学上だと相性があまりよくないと言われている者同士が多いのです。

恋愛は友達ではないので、似た者同士より、自分と違う側面を持った相手に惹かれるというのが割と人間の心理だと思います。
なので、四区分で言うところの相性の良いもの同士が恋愛した場合確かに理解し合うことはできるけれど、マンネリを抱きやすいし、刺激は少ないため、情熱的な関係は築きにくいのです。ただ、結婚という現実生活においては、多くを語らずとも理解できるので適度な距離感を保てて、そこにあまり情緒的な淋しさは感じないため、うまくいくのです。

タイトルに書いたのは、昨今の恋愛事情はどこかしら「軽い」傾向があります。確かに「重い」ものを人は避けたがるところがあるし、それ自体別に間違ってはいません。ただ、一般的に言うと三区分でいうところの不動宮には
動かないという意味での「重さ」がありますし、活動宮の場合も、真面目さと言う意味では「重い」部類に入ります。もちろんすべてそれだけで判断しませんが、反対語を「軽い」とすると、果たして「軽い」人が結婚に向いているかというと結婚生活は何十年も人生を共にする上で一度や二度は真剣に向き合うような「重い」出来事に遭遇するはずです。そこで「重たいのはいやだ」と逃げてしまうということは無責任極まりないことになります。もちろん性格自体がいつも「重い」としんどいでしょうけど、「適度な重さ」は人生には絶対に必要だと思います。
「適度な軽さ」が人生を楽にするように「重さ」も適度であれば決して悪い事ではないのです。

でも、「暗さ」はいささか問題で、これは対義語を「明るさ」とすると、いくら「適度」がついても「適度な暗さ」はいいとは言えません。
明るさはそれが多少過ぎても問題ではないですが、暗さはいただけません。

要するに「重くても明るい」人というのは誠実さともいえるのです。
活動宮の人は比較的それにあたると思います。

ところが昨今の出会い方のシステムそのものが「軽い」傾向にあるため、どこかしら「重いといけない」というようなものが人に刷り込まれている気もします。

しかもコミュニケーションの主流がネット環境のような間接的なものですから、直接話すということが苦手な人が多くなっています。
システムが軽いのに扱う人の性格は暗くなってしまっているという感じを受けます。もちろん会って話したら明るいのかもしれませんが・・・。
「重くて明るい」は良い兆候ですが、「軽いのに暗い」というのがどうも最近の出会い方や恋愛のスタートの仕方にあるような気がしてなりません。

やはり実際に会って直接話さないとその人の良さは見いだせないと思います。
なのである意味「重さ」は真面目さや誠実さにつながる意味で大事なのではないかと感じています。

じゃあ、「軽くて明るい」のが一番いいかと言えば多分この文言を見てそう思う人は少ないはずです。何にも考えていないノーテンキな人のようで、そんな人がまじめに恋愛をして結婚をするとは思いにくいでしょう。

私の場合は真剣な話をしたり、相手が悩んだりすることを普段から聞いている仕事ですので全くそれを重たいとか暗いとか感じませんが、一般的には重たい話をしたり、場が暗くなるような場面は避けたがったりする人が多いと思いますが、暗くならないようにすることも、じっくり向きあう「重さ」(重厚さとも言いますか)が必要だと思います。
落ち込んでいるのに「考えすぎだ」とか「楽しまなきゃ損」とか言われても余計落ち込むと思います。
確かにそこが行き過ぎて「めんどくさい人」「うざい人」になってしまったら良くはないですが、落ち込むということは、そこから這い上がる力もあるのですから、そんな人に軽く「大丈夫大丈夫」とへらへら言ってもかえって馬鹿にされているような感覚になってしまうので、「きっと大丈夫だから」と適度な重さを持ちつつ励ます必要があるでしょう。
つまり、ここで言う「重さ」は「責任感」とも言えます。
これは結婚生活には絶対に不可欠な要素だと思います。

重たさを背負うだけのパワーやエネルギーがない自分を知っているからあえて軽く振舞う人もいます。柔軟宮や風星座にその傾向が見られますが、本当は真剣に聞いてほしかったりするのに、へらへらしてしまったりする人などもいます。でも、どこか逃げている姿勢であることには変わりはないので、適度な軽さで重くなりがちな場面を救うことはあっても、行き過ぎると人の気持ちに寄り添えない人という評価を受けてしまうことにもつながりかねません。

暗さに通じる重さはダメですが、真剣さに通じる重さは必要なのです。

占星学上の相性は似た者同士を良く言いますが、それは重さが暗さに通じる危険性もはらみますから、やはりある程度異なる部分を持っている必要があると思います。なので一般的な相性に加えた分析がとても大事になります。

そこはもう、専門的なことになってしまいますが、相性診断は本当に難しいものなのです。
だから恋愛相談が後を絶たないのだと思っています。

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