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人はどうして旅をするんだろう?

人はどうして旅をするんだろう? パンデミックにより数ヶ月間外出を控える状態が続くなかで、そもそも人はどうして旅したくなるのかを考えてみました。

冒険や刺激を求めているから、日常から離れた場所で休みたいから、大切な人と一緒にいい思い出を作りたいから、外国旅行の場合は違う国や文化についてもっと知りたいからなど、旅したくなる理由は人それぞれです。

旅先にあるものが自分を少し変えてくれるという期待があるからではないでしょうか?
目新しいものを見てリフレッシュすることも、心が豊かになることも、成長することも、これらは全て自分が少し変わるということです。

ある意味で、旅は人間のサバイバル力を高めているとも言えます。
何か新しいものに出会って驚くことで、世界にこのような場所やものもあるんだな~と気づくわけです。世界への理解が深まることによって、人の心と視野ももう少し広くなります。

足を運んだことがある場所、いい思い出ができた場所やあそこにいる人たちに対しても「思い入れ」というものが生じます。他者なんですけども、みんなに元気でいてほしいという気もちが生まれます。それはつまり、愛着です。

偏見や先入観は、旅をすることで少しずつ治ります。思い入れがある場所を増やせば増やすほど、その場所やあそこにいる人たちを守りたくなります。

私たち人間が住んでいる世界では、戦争というものがしばしば起こります。今21世紀なんですが、戦争という現実があります。パンデミックや災害はどうしようもなく起こるものなんですが、「戦争」は人が起こすものなんです。

念のために言わなければなりませんが、戦争は勝てば嬉しい、負ければ悲しいが次は頑張ろうという運動会や試合のようなものではありません。どちら側にも損害が生じます。ひどい損害が起こると分かっていても、人は戦争を起こします。(極少数の人には「利益」がありますが、実際に互いに対して煽られて戦う一般の人には利益の話は関係ないです)

戦争が起こらないために、人と人が理解し合うのは第一条件。そのためにまず、世界のことをもっと知りたくなるという意味での教育が必要。
学校での勉強だけでは、世界のことが好きになってもっと知りたくなることは難しいです。愛着は、自分と関係があるものに対して生じるものなので、自分の目で見て、自分で体験して初めて「知ったこと」はやはりかけがえのないものなんです。

この意味で、旅は、他の人や文化のことを大切にする気もちを育てることに貢献します。
文学を含めたあらゆる芸術も、見慣れた世界の隠れた部分、または偏見や先入観といった考え方の仕組みのせいで見えていない現実の部分を見せてくれます。芸術はある意味で、移動せずにできる旅だったりします。だから旅も芸術も人間の心を広くします。

正確に言えば、旅も芸術も、生きるには必須ではありません。移動しなくても、日常に必要なもの以上のことを考えなくても、自分の殻から一歩も出なくても、人間は生きていけます。

でも、芸術や旅を人間から取ったら、動物とどう違うのか? (← この言い方は動物に失礼ですが、動物から見ても、せっかく人間に生まれたやつは人間らしい特徴があるべきなんです、動物やその他の生きものの安全のためにも)

世界のこと、他の人のこと、ほかの場所のことを大切にする気もちが人間になければ、戦争は免れると思いますか?

災害やパンデミックに向けてどう準備すればいいか、その知識はだいたいみんな教わります。
しかし戦争が起こらないようにするための特定の教育はありません。本当は、世界中の人が受ける基礎教育も、文学を含めたあらゆる芸術も、旅行もすべて「人の心を広くするもので、自己の外にあるものを大切にする気もちを育てる」ためにあるのではないかと思います。

理解し合うのも、自分の安全領域からたまに出るのもとても大事だということは、人はだれしも無意識的に分かっていると思います。だから「旅」というかなりのストレスと面倒を伴うものをいちいちしたくなるかもしれません。

移動する時のワクワク感や旅をする喜びは、大切にすべきものだと思います。そして、平和に生きている人はできる範囲で自分の心を広くし続けてほしいです。

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