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アルキメデスの大戦 (ネタバレなし)

予告篇から気になっていて、やっと見ました。

『アルキメデスの大戦』(アルキメデスのたいせん:The Great War of Archimedes)は、三田紀房による日本の漫画、およびそれを原作とした実写版映画。軍艦、戦闘機など旧日本海軍の兵器開発・製造について、当時の技術戦略と人間模様をテーマにしたフィクション作品となっている。

結論、アタリ!

深刻になりすぎず、菅田将暉くんの天才ながら、時々見せるおとぼけキャラ、豪華なキャスト、シリアスな場面にあるコミカルな掛け合いが絶妙に楽しめました。退屈なし。

監督が、山崎 貴さん。この方の作品結構見てますし、名作多し。

・ ALWAYS3丁目の夕日
・永遠のゼロ
・DESTINY 鎌倉ものがたり
・寄生獣
・海賊と呼ばれた男

根底に愛全開な人間臭さを感じる作品が多いと思いますが、今回はそういう意味では、とても面白いし、そうきたかーって感じでした。時代背景併せて、永遠のゼロと同じテーマがあったように思います。扇動された国民感情に流されず、命を守るために必死に抗ったものの、最終的には見えない流れに呑まれてしまうんですね。詳しくはネタばれになるから書きませんが。いい意味で、原作とずれていていますが、着地点はやるせなくても、どこか切なさと清々しさが残ります。

戦艦大和の設計に携わった主人公が、宮崎駿の零戦をつくったお話、『風立ちぬ』と重なるところがあり、思い出したりしてました。軍事兵器を作り出した人がいたという点。誰が加害者になるのか?という議論で永遠のゼロの百田さんと宮崎さんが議論を醸し出していたりするわけですけど、誰も『日本人はあれはあれで素晴らしかった、さすが』、なんて美化だけで終わらせるつもりはなくて、『罪のない人命が失われるようなことを、もう2度としない』って、みんなが深く心に刻めば良いのだとわたしは思います。

プラモ好きの夫が、冒頭から巨大戦艦大和の壮観さに感動しておりました。その美しさのわけ、なぜ大和が生まれたのか、そして3000人の乗組員を犠牲にして、沈まなければいけなかった宿命。結末は事実ですが、経緯は架空の物語です。しかも映画の時間内に全て結末に帳尻合わせした、ストーリーが圧巻です。善悪が常に背中合わせなのが戦争ということでしょう。そうか、そんな考え方もあったのか、とゲシュタルト崩壊。そういう意味で大和は全ての人の祈りが込められていたんですね。

映画中、テーマのように『やる前から諦めるな!』と何度も主人公が言いながら、どんなことにも負けませんでした。でも、結末は変えられませんから、それでも、みんな目の前のことに必死で手を尽くしたのは確かなんです。

大和が沈んだのは、1945年、4月7日。戦争への道を止められなかった日本が、80年も経たない前に本当にあったなんて、信じがたいけど、事実なんですよね。

今コロナで、感染者なんにん、死亡者なんにん、とか、災害があれば、そのたびに慰霊もされますが、あの戦没者の数はおびただしいものでした。310万人のうち、軍人軍属は230万人。わたしの祖父の弟も若くしてフィリピン沖で亡くなっています。生き残るために相手を殺すのが戦争。でも日本は犠牲を最小限に留めるという考えが持てず、桜のように散り際を愛でる文化が少なからず影響したのかなと思います。大切な人の命を守るために犠牲になった人たち。

今は、ひとつひとつの命が大切にされています。国という器を武力で守る軍国主義から、人をみんなで守ろうという民主主義になったからですね。平和ボケして、人任せにしていたら、またどのタイミングで、舵が動き出すか分かりません。一人ひとりの平和への想いだけは変わらないし、新しい時代は始まったばかり。

今は誰でも情報が取れるのだから、無知では済まされない。ひとりひとりが、自由に自分の幸せを選んで、進める良い時代ですから、もちょっとがんばらないとね!なんて思いました。会社にがんじがらめにされて、ウツになってる場合じゃないですよね( ̄▽ ̄;)

というわけで、この映画の見どころ、所感はそんなとこです^_^

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