新しい結婚のカタチ、シェア婚 〜仕事も恋もがんばったアラフォーの話〜⑧

出産のときに静かなお産を勧めてくれた、いつも冷静な叔母に言われました。「あなたは、結婚してはいけない人だったのよ」。叔母は良妻賢母。看護師の資格がありながら、専業主婦と少しのパート、家庭を守ることに徹してきた人です。ぐうの音も出ない。そうですね、私、妻失格、母親失格。でも、がんばって生きてるんだよ!

もう一度結婚したい、私もパートナーが欲しい!

そんな頃、ありがたいことに、猛烈にアタックしてくださる方がいて、やっぱり女は愛されてナンボ、かな、と。それはそれは熱いアプローチ。私が34歳の誕生日には34本の真紅の薔薇をくれるような人(笑)

自称お金持ちの彼は、一緒に暮らそうと、マンションと準備金として300万円入った通帳とカードをくれました。運命の渦にどんどん巻き込まれる私。新しく仕事も新規一転、と思えたのは、もう一人ですべてを支えなくてもいいんだって、勘違いしたからですね。そううまくはいかなかった。彼は離婚前提で別居するから、と言っていたのに、離婚しないわ、妻宅とうちを行き来、ドロドロしてきました。

協働のお仕事も分かっていたことですが、社長の方針でいろいろ相容れないことがあり、私がいる意味はないなと思ったので、抜けさせていただくことに。個人の広告代理店として、依頼されて季刊誌とか、冊子制作とかしてましたが、前みたいな気持ちで仕事できない。

仕事も、恋も、うまくいかない。

なんでだろう?そんなに大きな幸せは求めてないと思うけど、どうしたらいいんだろう?

ある日、離婚相談窓口みたいなところに、のこのこ電話しました。がっつり頭を殴られました。「あなた、騙されてるんですよ」

「ほんとだー!」と気付いた私。不倫じゃんコレ!バカじゃん私! 愛人として囲われてるっ! そして、逃げました。あ、通帳返しました。また立て直しだー!! 同じ市内で転々としてるんですけどね。が、追ってくる彼。ストーカーのように。そして、ついに離婚した証明、と戸籍謄本を持ってきたのです。彼の奔放さはたぶん似た者同士、好きだけど、でも、パートナーとしては信用ならない。頭では分かっていても、ずるずる。

そんなとき、彼の奥さんが尋ねてきました。彼はいませんでした。そして発覚したのです。奥さんは自分が離婚していることを知らなかった。私は奥さんに言いました。「私はあんな男はけっこうです、お返しします」。「強いですね」と奥さん。私たちは女同士、妙に穏やかに話しました。まるで同じものに手を焼いた戦友のように。

サイテーの男だ。

そして私も、サイテーだ。

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