総理の夫(ネタバレあり)酷評

今回、紹介するのは『総理の夫』。

今回は、単に感想を述べます。

結論から言いますと、非常に残念だった。

監督は、河合勇人 氏。
『映画 鈴木先生』、『かぐや様は告らせたい～天才たちの恋愛頭脳戦～』 など

内容は、
鳥類研究所に勤務する相馬日和(田中圭)は、出張先の北海道へ向かう間際に、最愛の妻・相馬凛子(中谷美紀)から「総理になったらあなたに不都合でもある？」と、問いかけられる。
10日後に空港から帰って来るやマスコミに巻き込まれ、環境はガラリと変わっていた。
内閣広報官である富士宮あやかから最愛の妻・凛子は日本初の女性総理大臣になったと告げられ、街の大型テレビジョンからも総理大臣となった凛子の姿を目にする日和だった。
GPSにより、行動制限を掛けられ、自宅へも普通には変えられず、
そんな日和は、母であるソウマグローバルの会長・崇子とCEOの兄を持つ御曹司でもあった。だから故に世間知らずなのか、凛子との生活にすれ違いが生じて疲弊することも。
しかし、これまで凛子と一緒に取り組んできた政界のドンでもある原久郎(岸部一徳)の裏切りによって、衆議院解散となり、総選挙が始まる。
凛子のために初めて尽くしの仕事に奮闘する日和だったが、凛子に異変が…という内容。

まず、アメリカのような選挙演説だとかも演出は悪くないが、脚本の無さに愕然とした。

夫婦の幸せの形の描き方は良かった。
だが、結末まで見て政治家を描く必要性を感じなかった。
夫が鳥類研究所で働いている必要性も感じなかった。
ただの鳥好きの夫で良かったし、女性の職場環境の悪さは政治の世界に限った事じゃない。

日本に初めて女性の総理大臣が誕生して、壁にぶつかるのが妊娠、出産であるのはわかるし、良いネタだとも思う。ただ、その壁を乗り越えるのを期待し過ぎていたのかな。

政治家は国民の代表でなければならない。
ただ、政治家も人間なんだ。ということを描きたかったのだろうか。

某政治家の男性が育児休暇する事に対して散々に言われていたが、初の女性総理大臣が妊娠して辞職する展開にはやっぱり納得いかない。
これが日本の政治だと皮肉っているのだろうか。

キャッチコピーでもある「未来をあきらめない」。
けど、この結末だと責任を未来に押し付けているだけにしか思いないのだが。

シリアスになりがちな政治をコメディとして描くのは良いが、その政治の政策の中身だったり、今の政治の強い怒りや暗部みたいなものを初の女性総理大臣だからこその目線で描いて、スカッとさせて欲しかったかな。