見出し画像

運用設計が原因? DXレポートを運用目線で読み解く③

既存システムの老朽化により、さまざまな問題が起こることを前回ご説明しました。
今回は老朽化したシステムがどのような足かせになるのか、DXレポートを読み解いていきたいと思います。

DXレポート(簡易版)P10の「レガシーシステムが足かせと感じる理由は?」のアンケート回答を見て愕然としました。(赤枠は私がつけています)

20200503_レガシーシステムが足かせ


9.ドキュメントが整備されていないため調査に時間を要する。
……節子、それ、構成管理ができていないってことやないか!

4.有識者がいない、ブラックボックス化しているため触れたくない。
……節子、それ、属人化したスーパー運用者が現場離脱した結果やないか。


おそらくこの2つが原因で「8.維持・運用費が高く、改修コストを捻出しにくい。」という悲劇を引き起こしています。
このアンケートから、足かせになる原因の半分ぐらいは運用設計されていない、もしくは運用ルールが守られていないことと推測されます。

運用がおざなりになるとシステムが分からなくなる問題は、別に老朽システムだからというわけではありません。
DXレポートの中でも、ブラックボックス化を招くマネジメントの問題として扱われています。

20200503_ブラックボックス化


古いシステムを新しいアーキテクチャ(設計思考)で作り直したとしても、テキトーに運用していたら元の木阿弥です。
システム刷新の経緯や、把握しなければならない機能・仕様などが後追いできるようにする。
そして、リリースから最新の状態までの変更履歴が追えるようになっていないと、システムは再びブラックボックス化し、清太が節子に呼びかける火垂るの墓的な悲しい状況になってしまいます。

ただし、新しいアーキテクチャには新しい管理方針、新しい運用設計が必要になります。
拙著「運用設計の教科書」は、今までの経験をまとめたものなのでオンプレ環境でシステム動かすことを想定して執筆しています。
クラウド環境やハイブリッドクラウド環境でシステムを運用する際には、少しマッチしない部分もあります。
クラウド環境での運用設計や、DevOpsでの運用管理方法などを我々はまとめていく必要があります。

クラウド環境での運用については、JBSでウェビナーやるのでよかったらご参加ください。無料です!


さて、次回はシステム基盤のITシステム変遷に合わせて、今後エンジニアがどのように変わっていかなければならないのかをまとめてみます。


★宣伝★
とはいえ、ベースの知識として役立つことはたくさんあると思います。
まだ読んでいない人は、ぜひ読んでみてくださいね!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?