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”あの熱い思いはあの頃のまま” Soul to Soul

2019年12月26日㈭

 仕事がおわったあと、お父さんとライブにでかけた。というのも、うちのお父さんは若い頃に音楽関係の仕事をしていた時期がある。今は音楽の仕事はしていないものの当時の仲間と繋がっていて、その人たちのライブによく一緒にでかけている。うちのお父さんはもう来年70歳なのだが、お父さんも仲間の方々も年齢を感じさせないくらいアクティブで、熱い。5,6年前は『還暦ライブ』に何回かいった記憶があるけど、今年はついに『古希お祝いライブ』があった。主役の方はドラマーで、とても70歳には見えない。でもよく話をきいてみると、その方は50歳くらいで脳梗塞で倒れてしまい一時期歩くのも、もちろんドラムも叩けなかったらしい。その後リハビリを頑張って、ライブができるまで復活したとのこと。すごい生命力である。

 お父さんと仲間の方々のアグレッシブさは、実は彼らが生き抜いた激動の時代の産物ともいえるだろう。お父さんが大学受験をした年は『1969年』、学生運動で東大が入試を中止した年だった。スマホで欲しい情報も買い物もできてしまう便利な現代とは対照的に、何かに反発し新しいものを築いていった時代は精神力の塊だっただろうと推測できる。そのときに逆境に立ち向かっていく時代に培われた精神力やポジティブは今も1ミリも衰退を見せない。(たとえ肉体的な健康に少しガタはきていても、)

 ライブの場所は目黒ブルースアレイ。入口に今日のライブのポスターが貼ってあった。

「上田正樹Live "あの熱い魂はあの頃のまま"2019 ALBUM 『Soul to Soul』」 

仕事が終わるのが遅くて21時少し前で、ちょうど前半と後半の休憩だった。着くなりお父さんは満面の笑みで、「いや~、前半の『悲しい色やね』さえこにも聴かせたかったなあ!ジャズアレンジだけどなんともいえない、良い感じだった!」すでに興奮気味である。(笑)私もシャンパンを頼んでエンジンをかけていると1曲目が始まった。

カッコイイ。それ以外の言葉はいらない。上田正樹さんの歌は、まさにSoul to Soul。魂に響く音楽で、アルコールも手伝って一瞬で最高の気分になった。私の視線の先にはアラフィフくらいのカップルでいらしている方がいて、手を繋いで、ときどき視線を合わせながら、まさに幸せそうだった。またステージのほうの前の席には、アラカン?くらいの男性2人組でノリノリで、きっと若い頃の思い出もあいまってるのか全身全霊で音楽に浸りきっているのが見えた。

MCをはさみ、今回のツアーのアルバムの話をしていたのがとても印象的だた。上田正樹はだいたい70くらいだと思うが、「この年になっても、まだまだやりたいことがたくさんあんねん。俺は世界にいきたい。」きいている限り、20代のミュージシャンかと思った。お金がないときに作ったという『梅田から難波まで』っていう曲は、青春の甘酸っぱさが漂っていて何度きいても好き。曲をはさんでつぎの曲紹介にいくときが最高だった。「おれは、絶対にあきらめない。希望をすてちゃいかん!」。MCの後、『Don't give up!』 という歌詞の曲を歌っていた。人生で大切なことはそんなに多くはないけど、忙しかったり日々追われると忘れてしまうから、こうやって意図的に思い出していかないといけないんだな、と思った。

 ライブが終わってあいさつするのに人がはけるのを待っている間、お父さんと喋っていたが、相変わらず「こんなことしたい」とか楽しそうにこれからを語っていた。お父さんとでかけるというと周りに不思議られることも多いけど(笑)、いつ会っても変わらないポジティブは見習いたいと思っている。その後は初対面の方々とも色々とお話ができて新鮮だったし、私の現状も報告してその夜は帰った。お酒でエンジンをかけてライブをきいた帰り道は無敵の気分になれるのが好き。いくつになっても、あきらめないで、楽しんでいける人になりたいなと思った。

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