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ホワイトホワイトデー

2020年3月14日㈯

昨日のライブはひとりで行ったが、お父さんの知り合いの方と相席になったのでいろいろとお話ができた。

自粛ムードになる前まで東京にきてから1~2か月に一回くらい昔音楽プロデューサーをしていたお父さんとライブにでかけていた。よく周囲からは「よくお父さんと一緒にでかけるね」と色んな意味で言われるが(笑)、共通の趣味としての音楽を楽しみにライブに行くのでなんの抵抗もない。

お父さんとライブにでかけると、お父さんやその世代の人たちに関心してしまう。まずお父さんはとにかく明るい。私はとうふメンタルなので仕事で怒られたりクレームがあったり、恋愛とかでいやなことがあるとすぐに心折れてしまいしょっちゅう生きる意力を失う。お父さんは今年70歳になるが、元気がないのをあまり見たことがない。いつも楽しそうで、仕事の話も今度はこういう新しいことをやっていこう、みたいにいつも生き生きとしている。お父さんが昔一緒に音楽をやっていたミュージシャンたちも同年代でしかも相当エネルギッシュだ。「俺は世界にいきたいねん」「まだまだ新しい音楽をやりたい」などと言い、はたまたライブで高音がでなくてもアンコールでもう一度その曲をリベンジして負けず嫌いを見せたりする。

相席になった知り合いの方は、お父さんを含めてミュージシャンたちが20代の頃から知っている。この世代のエネルギッシュさはどこからくるんでしょう?ときいてみた。

「私たちの世代は、常に戦ってきたから。私たちの団塊の世代は50人で10クラスとかあった。待ってても欲しいものは手に入らない。手に入れるためには戦わなくちゃいけなかった。それを勝ち抜いてきてトップに立ったミュージシャンたちなんだからそりゃあ強いわよね。」

なるほど。私たち"ゆとり世代"は戦いとは縁遠かったかもしれない。小学校は40人弱で2クラス、中学生のときには「ナンバーワンになれなくてもいい もっともっと特別なオンリーワン」を歌う世界に一つだけの花が流行った。個人的には、女の子のグループから外されたこともあったが面と向って言いあったりしたことはない。たしかに私には戦いの要素が少ない。何か言われてもへこたれない強さを持つには戦うことも必要なのだと思った。

今日はホワイトデーだ。昼すぎに起きてTwitterのタイムラインをみると、雪が降っているらしい。窓の外をみると、たしかに雨にまじって雪が降っている。寒いのでウールコートを引っ張りだして夕方に街にでたが少し後悔した。いつもは全然気にならないのに今日ばっかりはひとりで買い物をすることに不満になったが、私はそれを口にすることができない。口論することがいつからか苦手になっていた。

買い物から帰り家でなんとなく無気力になっていると、ラインが鳴った。遠方にいる人からだった。

「ホワイトホワイトデーだね」

その一言に少し心がほころんだ。

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