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#4:洋服ブラシ、使ってますか?【こんなモノが好き。】

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#4:洋服ブラシ、使ってますか?【こんなモノが好き。】

小売業界に属していて、ファッションの世界にも”一応”関わっている僕。

そんな僕は、高校を卒業してからファッションに興味を持ち始めたのだが、正直言ってしまうと、恥ずかしながら『メンテナンス』という行為にあまり関心がなかった。

「ひとつの服を大事にする」ことを嫌っていたわけではないが、服は洗濯するかクリーニングに出すかする程度で、それ以上のメンテナンスをすることに対してあまり意識が向いていなかったのだ。

そんな僕の意識を変えてくれたモノがある。

それが、洋服ブラシだ。

僕が洋服ブラシという存在にちゃんと出会ったのは、とあるヴィンテージ古着店だった。

その店はひとつの服のクリエイションにとても強い思いを持って仕事をしており、洋服一着のための説明にとてもしっかり時間をかけて丁寧に教えてくれる。

そこで僕はイタリア製のニットカーディガンを購入する機会があった。

カシミア製のシンプルな黒のカーディガンで、年代は90年代初頭のモノ。

とても綺麗な状態で売られていて、試着をした瞬間に「これは」と思って購入することにした。

その時、店員さんから教えてもらったのがニットの手入れ方法だった。

購入当時でもそれなりに時間が経過しているカーディガンだったが、「大事に着てもらうために」とその店員さんは、洋服ブラシを手に取りブラシの掛け方を懇切丁寧に教えてくれた。

「こうやってスナップを効かせて…」
「この向きで毛流れを作るイメージで…」
と、手慣れた手つきでカーディガンをブラッシングしていく。

スーツを着て喋りながら作業する店員さんが、異常なほどに”粋”に見えた。

これまでに着てきたニット製品を「とりあえずクリーニングに出す」「毛玉ができたら取る」程度の感覚でしか扱っていなかったことを、なんだかとても恥ずかしく感じてしまった。

洋服が好きということは、一着を、メンテナンスまで含めて愛することなのだと思い知ったような気がしたのだ。

当然、洋服ブラシなど持っていない僕は思わず口にしてしまった。

「そのブラシ、どこで買えますか?」

店員さんは笑顔で教えてくれた。

急いで購入したそのブラシは、今、僕の部屋の壁掛けフックに常にぶら下がっている。

ニットを着たらブラッシングをする。
ニットだけではなく、ジャケットやパンツもよくブラッシングをするようになった。

なんだか洋服が蘇るような感覚を覚える。
いや実際に蘇るのだから、洋服って面白いのだとまた改めて感じるようにもなった。


せっかくだから、店員さんが教えてくれたブラシをご紹介したい。

洋服ブラシにも本当にたくさんの種類があって、老舗の店もたくさん存在している。

一般的なお店で売られているのは海外製のものが多いのだが、一応購入前に幾らかは試してみた。

その結果、やっぱり”粋”に感じた店員さんが言うことは正しかったようにも感じて、結局僕はそのブラシを購入した。

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