寂しさの過去と未来
卒業式は自分のものだ。
頭の中で勝手にユーミンを重ねたり、アルバムにイラストを求めたり、教室に花が飾ってあったりする時を行き来しながら、いつに間にか仰げば終わる。
外に出れば、下級生や友達がそこかしこに集まり、何となくその輪に入ったり離れたり。
確か、母親もいた。遠くから「先に帰るよ」という声を聞いた。思い出す、春。
母はどんな気持ちだったのだろう。
あの時何を考えていたのだろう。
寂しかっただろうか。
明日、紆余曲折あった息子は専門学校を卒業する。
最後だから式には行くつもりだ。
卒業式の後、息子は学校の懇親会に参加するから私は一人で帰る。
ランチはどうしよう。寂しくなる気がする。
それなら、行ったこともない寿司屋に入って、カウンターに座ってみようか。
いや、スーパーでお惣菜を買って食べよう。
きっと、美味しい。